2025年11月下旬~12月初旬、ネパールのランタン谷をトレッキングしました。カトマンズを出発したのは11月27日、シーズンが終わりに近づいた、少し落ち着いた時期だった。
この時期のランタンは、トレッカーの数も多すぎず、どこかアットホームでローカルな空気が流れていた。山の中で出会う人も限られていて、同じようにトレッキングをしている人たちや現地のガイドたちとも適度に交流ができた。
トレイルは序盤からしっかりと登りが続くが、標高を上げるにつれて徐々に視界が開け、やがてランタンらしい雄大な景色が広がる。後半は比較的なだらかで歩きやすく、道も明瞭で迷うことはないと思う。
今回は2回目のネパールでのトレッキング。ガイドを雇わず、ソロでランタントレッキングを歩いた。本記事では、実際の行程や費用、準備、そして注意点を、実体験をもとにまとめていく。

ランタントレッキングはガイドなしで歩ける?

結論からいうと、ランタントレッキングはガイドなしのソロでも歩ける。
実際に自分はガイドを雇わず1人で歩いたが、道に迷うことはなく、行程も問題なくこなすことができた。ただし、誰でも簡単にというわけではなく、以下のどちらかに当てはまる人が前提になる。
- 登山(トレッキング)経験がある
- 体力に自信がある
加えて、海外旅行にある程度慣れていることも重要。宿探しや食事、トラブル対応など、すべて自分で判断する必要がある。
以下で、その理由を解説していきます。
ランタントレッキングは明瞭で迷いにくい

ランタンのトレイルは非常にわかりやすい。
基本的に谷沿いを進むシンプルなルートで、分岐も少ない。自分はMaps.meの地図のみで歩いたが、それで十分だった。登山道というよりは「つながった村を歩いていく感覚」に近い。
宿・食事には困らない

数キロごとに、ティーハウス(ロッジ)がある。
ティーハウスでは、宿泊・食事・休憩ができる。2日目くらいからは景色も良いので無理せず積極的に休憩するのが良いと思う。私が訪れた際はシーズンの終わりだったこともあり、EBC(エベレスト街道)のように満室で断られることもなかった。
ランタントレッキングの難易度は?

きついルートではない。
例えるならば、初日の登りは丹沢の塔ノ岳、大倉尾根(通称バカ尾根)に近い感覚。実際に出会った日本人も同じことを言っていたし、自分も少しそう感じた。ランタン村以降は、標高は上がるが緩やかなトレイルが続く。
強いて言えば、オプションルートのキャンジンゴンパから登るTserko Riがややキツイかもしれない。私は昼頃に宿に帰ってきたが、他の宿泊者たちは日が暮れるくらいの時間に帰ってきたので。
【注意】高山病リスクは軽視しない

自分は油断して軽度の高山病になってしまった。
過去にエベレスト街道や高山地帯を何度も旅した経験があり、「この標高なら大丈夫」と油断していた。しかし結果として、キャンジンゴンパで軽い高山病になった。
原因はシンプルで、本来高度順応すべきランタン村辺りで宿泊せず、2日目に一気にキャンジンゴンパ(4000m弱)まで標高を上げたこと。どれだけ経験があっても油断は禁物だと感じた。
キャンジンゴンパに到着した際は特に何も感じなかったが、夜に突然の頭痛で起きた。ものすごく痛い訳では無いが、時折鋭く、ほとんど寝られなかった。寝ているときは呼吸が浅くなりやすくて高山病になりやすいのだ。ただ、こんなにはっきりとした高山病ははじめてだったので驚いた。
途中で出会った日本人グループの中には、ランタン村(3400m)で高山病により嘔吐し、先へ進めなくなった人もいたそうだ。高山病に関してはその時の体調や個人差が大きいので甘く見ない方が良い。
カトマンズでは、高山病予防薬も簡単に手に入るので持参して服用することをおすすめする。
ガイド必須ルールについて

11月27日
「私は必要なかった」という言い方が正しいように思う。
ネパールでは数年前に「トレッキングにはガイド必須」というルールができた。
ただ、2024年のエベレスト街道や、今回のランタンを歩いた限りでは、ガイドなしでも特に問題はないし、チェックされることもない。
ドゥンチェ手前で、国立公園のパーミットのための支払いはあるが、「ガイドを雇っておらずソロ」ということも伝えても何もいわれなかった。誰からもガイドがいないことを咎められることもなかった。
感覚として、「ガイド必須」ルールはまだ適用されているのかもしれないが、少なくとも現地ではそのルールは自然消滅なのか機能はしていない。とはいえ、ルールは変わる可能性もあるので、最新情報は事前に確認しておくのが安心だと思う。
私の行程(実際のスケジュール)
| Day | Route | Notes |
|---|---|---|
| Day 0 | Kathmandu → Syabrubesi | バスで約7〜9時間。Dhunche手前でパーミット取得 |
| Day 1 | Syabrubesi → Ghoda Tabela | 渓谷沿いを進む。序盤からしっかり登りあり |
| Day 2 | Ghoda Tabela → Kyanjin Gompa | Langtang Villageを経由。一気に標高を上げる |
| Day 3 | Kyanjin Gompa | Tserko Riに日帰り登山。高山病に注意 |
| Day 4 | Kyanjin Gompa → Gumba | Kyanjin Ri登頂後、宿で昼飯を食べてから下山開始 |
| Day 5 | Gumba → Thulo Syabru | Bambooの分岐から別のGosaikundaへのルートへ(ここでSyabrubesi方面へ進むとランタントレッキング終了も可能) |
| Day 6 | Thulo Syabru → Gosaikunda | 標高が高く体力的にきつい登り区間 |
| Day 7 | Gosaikunda → Kutumsang | 稜線歩き+長い行程。景色は良い |
| Day 8 | Kutumsang → Sundarijal (Kathmandu) | 徐々に下山してゴール。バスで市内へ |
今回はランタン谷の往復ではなく、途中の分岐(Bamboo)からゴサイクンド〜ヘランブー方面へ抜ける縦走ルートを歩いた。ランタントレッキングのみであれば私の行程では5日目で終わる。※Bamboo~Syabrubesiは往路で約2時間
通常、Kyanjin Gompaまでは3日かけてのんびりと登る。体力のある人だと、早朝に出発すれば、Kyanjin GompaからSyabrubesiまでは1日で下山可能。
カトマンズでの準備(出発前にやること)
両替(ネパールルピーの準備)
ランタントレッキングでは、すべて現金(ネパールルピー)で支払うことになる。山の中ではクレジットカードはほぼ使えず、ATMも(Syabrubesiでは見かけた)ないため、カトマンズで十分に両替しておくことが重要。
両替は主に以下の場所で可能
- 空港
- タメル地区の両替所
- 市内の銀行
- ATM
今回見た限りは、空港のレートはタメルの両替所よりもよかった。時間がある場合は市内の銀行で日本円から両替するのが一番安心でレートも良いが、手続きに時間がかかることもあるため、トレッキング前に急いでいる場合は空港やタメルの両替所でも十分だと思う。
なお、クレジットカードでのキャッシングも可能だが、ネパールではATM手数料がかかることが多い。ATM手数料がかからないカードや繰り上げ返済などをすると効率的に両替はできる。
トレッキング中の費用の目安として、余裕を見て1日4000ルピーほどあれば十分だと思う。
SIMカード(通信事情)
ランタントレッキングでは、現地SIMカードを用意しておくのがおすすめ。
今は流行りのeSIMでもいいかもしれないが、カトマンズでは簡単にSIMカードを購入でき、旅行者でもすぐに利用できる。タメルで何件もSIMカードを買えそうな店を見かけた。以前私もタメルの近くで購入した。
今回は空港からバイタクに乗りたかったので空港内で少し割高なSIMカードを購入した。短期なら空港でSIMカードを購入するのはあり。eSIMとの大きな違いは現地の電話番号が手に入るのでバイタクを呼べること。
主な通信会社は以下の2つ
- Nepal Telecom
- Ncell
どちらもカトマンズでは問題なく使えるが、シェルパがいうには、Nepal Telecomのほうが山間部で電波が入りやすい。実際に私はNcellで圏外、シェルパはNepal Telecomで普通に使えていた。ただ、旅行者的にはNcellのが手に入りやすいと思う。
また、日本で使っていた楽天SIMカードもネパールの山で使用できた。1ヶ月2GB制限だが、その場で拾えるプロバイダーを使うので便利。
宿にはWi-Fiはあるので、トレッキング中はSIMでのデータ通信はほとんど使わないかもしれないが。
オフラインでも使える地図アプリ「Maps.me」が便利。
タメル地区で装備の買い出し
トレッキングに必要な全てのものがタメル地区で手に入る。偽物多いが実用性は十分。
私が購入した装備
- ネックウォーマー(100ルピー)
- 帽子(300ルピー)
- クランポン(1000ルピー)
- お腹の薬類(200ルピー)※高山病の薬を買っておくことをおすすめする
- トイレットペーパー(金額忘れたが安い)
- スニッカーズ(90ルピー)
タメル地区には無数にトレッキングのお店はあるがKalapatthar Trekking storeはおすすめできる。言い値が安い。また、近くに倉庫のような支店もあるのでそちらも覗いてみるとおもしろい。
Syabrubesi(シャブルベシ)へのバスチケットの購入場所

ランタントレッキング拠点の場所はSyabrubesi(シャブルベシ)。
タメル地区から約2キロ離れたニューバスターミナル(Gongabu Bus Park)近くの交差点Machha Pokhariにいくつかチケットを売るブースがある。出発場所もここ。
3社に聞いたところ、カトマンズ~Syabrubesiの運賃は、950~1000ルピー。出発時間は5時半~8時くらいで30分~1時間おきに出発。私は前日に予約したが、席にこだわりがなければ当日でも乗れると思う。

ちなみに、市内の移動はバイクタクシーが便利。配車アプリ「Pathao」がおすすめ!
バスでカトマンズからシャブルベシへ移動

約8時間、全然悪路ではない
私が予約したのは7時発のチケット。6時45分集合と書かれていたが、結局少し遅れて出発する。同じバスには欧米系の旅行者もガイドと数名いた。
- バス所要約7〜8時間(私は15時着)
- 途中で休憩は前半に2回
- パスポートコピー数枚必要 ※途中でコピーできる
- ドゥンチェ手前で国立公園のパーミット3000ルピー支払う
費用まとめ(実例)

1日4000ルピーあれば安心で快適 ※2025年末時点
ランタンでは1日の出費はおおよそ以下のようなイメージ
- 宿:300〜700ルピー(定価1000ルピーほど)
- 食事:500〜800ルピー
- 飲み物:100~250ルピー
宿泊費は交渉次第で安くなったり、食事を取ることで無料(提案された)になることもある。
標高が上がると食事は高くなる。
予算感は、1日あたり目安3000ルピー前後、大目に見て1日4000ルピー~あれば快適。
現金は多めに持つのがおすすめ。予定より滞在が長くなった場合や、体調不良で行程が変わった場合に備えて、少し多めに現金を持っておくと安心。実際、自分も当初の予定より長く滞在する可能性を考えて、余裕を持ってルピーを準備しておいた。
ランタン谷の宿と食事
宿について


キャンジンゴンパの宿からの景色
ランタン谷沿いの宿は基本的に設備が充実している。
標高の一番高いキャンジンゴンパでも無料で利用できた。さらに、私は毎日2枚ブランケット(なので寝袋不要だった)を使っていた。※ハイシーズンは借りられるか不明
- 清潔な部屋
- ホットシャワー
- Wi-Fi
- 充電
- ロッジでは暖炉使用
※シャブルベシから先~ランタン手前までは少し設備は古くなるのと、ホットシャワーがない宿がある
食事について

食事は全体的に味は美味しいが、ダルバートとフライドライスを除くと量が少なく感じた。やはり、お腹いっぱい食べたいときは食べ放題のダルバートがいい。
しかし、このネパールトレッキング独自のメニューである、食欲のない夜にはシェルパシチューや朝飯にチベタンブレッドも食べても良いかもしれない。

シェルパシチュー

チベタンブレッドウィズオムレツ
基本、メニューはどこも同じ。宿によって値段と味は違う。以下、ランタン谷で一番高いはずのキャンジンゴンパの宿のメニュー表です。



持ち物(11月後半〜12月前半)

衣類
- メリノウールフーディ―(長袖)
- ポーラテックαダイレクトのフリース、今回も大活躍
- パタゴニアのフーディ二ジャケット
- 薄手の長ズボン
- ワークマンのメリノウールスパッツ、αパンツか迷ったけどスパッツで良かった。
- モンベルのバーサライトパンツ、
- Bringのメリノウールパンツとユニクロエアリズム
- ダーンタフのメリノソックスと、αソックス
- モンベルのダウン上下 ※使わなかったがジャケットはあったほうがよい
- シューズはアルトラ275 ※ボロボロ

ギア類
- バックパックは19L
- ヘッドライト
- モバイルバッテリー
- 充電器
- コード
- 変換プラグ ※使用していない
- ナルゲン1L
- 水浄化剤(アクアタブズ)※必須。私は日本から持参したがタメルで購入可
- カメラα7cとレンズTamron2040
- パックライナー
食料
- ソイジョイ6本
- おにぎりせんべい
- 干し梅等
他、タメルで購入した装備等
※荷物の軽量化で寝袋の代わりにダウン上下を所持。ブランケット2枚使うことで使用せず
※朝晩の気温はマイナス、16時以降は外の洗濯物凍っていた
※キャンジンゴンパで洗濯した
※チェーンスパイクはTserko Riに登る際のみ使用

Tserko Riの道中

まとめ

キャンジンゴンパ
ランタントレッキングは、ネパールの人気トレッキングルートの中でも比較的アクセスしやすく、ガイドなしのソロでも歩きやすいルートだと感じた。
トレイルは明瞭で、数キロごとにティーハウスがあるため、宿泊や食事にも困ることはない。日本で登山経験がある人、または体力に自信があり海外旅行に慣れている人であれば、十分に歩けるルートだと思う。
ただし、宿泊時の標高は4000m近くまで上がるため、高山病対策だけは軽視しないことが大切。
自分自身も高度順応を省いたことで軽い高山病になってしまった。
今回歩いたルートは、ランタン谷の往復ではなく、途中からゴサイクンド方面へ抜ける縦走ルートだったが、ランタンのみであれば5〜7日程度でも歩くことができる。
森林のトレイルから始まり、やがて氷河と高山の景色へと変わっていくランタン谷。ネパールの他のトレッキングルートと比べても、どこかローカルで落ち着いた雰囲気が残るトレイルだった。
もしネパールで初めてトレッキングをするなら、ランタンはとても良い選択肢だと思います。

Tserko Ri
ランタントレッキングの日記はアップするか未定なので、日毎の写真は、インスタグラムにアップしています。質問などある方もSNSからどうぞ!

