【厳冬期の八ヶ岳】渋の湯から天狗岳を越えて本沢温泉でテン泊して雪の野天風呂に浸かってみた!

登山
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山好きなみなさんこんにちは!

厳冬期の八ヶ岳の天狗岳を越えて雪の本沢温泉へ行ってきたのでご紹介します!

1日目の途中まで11月に訪れた際とほぼ同じルートでしたが雪のため全くの別世界になっていました。正直、かなり辛いときもありました。冷たい強風で顔の一部分が少し凍傷にもなっていました。

でも、日本最高処にある本沢温泉「雲上の湯」雪の野天風呂は最高でした!!

※2021年12月18,19日の情報です

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【厳冬期の八ヶ岳】渋の湯から天狗岳を越えて本沢温泉でテン泊して雪の野天風呂に浸かってみた!

【厳冬期の八ヶ岳】渋の湯~天狗岳・根石岳~本沢温泉のコースタイム

  • 渋の湯約1キロ手前(10時23分)
  • 渋の湯(10時52分)
  • 黒百合ヒュッテ(12時18分着、12時48分頃発)
  • 中山峠(12時55分)
  • 東天狗岳(14時14分)
  • 根石岳(14時54分)
  • 山彦荘・夏沢峠(15時42分)
  • 本沢温泉(17時6分)
    キャンプ場にてテント泊
  • 本沢温泉(9時10分発)
  • 稲子登山口バス停(11時41分)

 

【厳冬期の八ヶ岳】渋の湯から天狗岳を越えて本沢温泉でテン泊して雪の野天風呂に浸かってみた!

渋の湯手前約1キロ地点

いつも通り早朝に家を出発して鈍行で茅野駅へ。茅野駅で蕎麦を食べてバスに揺られて渋の湯手前約1キロ地点までやってきた。

渋の湯手前の駐車場の隣に公衆トイレがあるのでそこで登山準備をする。ほとんどの人がここでトイレに行ったり軽食を食べたりレイヤリングの調整をしたりしていた。

渋の湯を素通りして、登山口へ。

渋の湯

渋の湯の登山口

渋の湯~黒百合ヒュッテまでもそこそこ積雪はあるけれど、アイゼンなどは必要なさそうだったので、そのまま歩いていく。

渋の湯~黒百合ヒュッテの登山道

緩やかでやや積雪のある登山道を歩く。

渋の湯~黒百合ヒュッテの登山道

トレースがあり、雪は歩く負荷にはならないので歩きやすい。

渋の湯~黒百合ヒュッテの登山道

黒百合ヒュッテに到着。

黒百合ヒュッテ

ここ黒百合ヒュッテですらなかなか寒い。実はこの日は少し天気は荒れ模様というか風が強い。※「てんきとくらす」によると、12時時点で3100m付近は−22度で風速28m、2000m付近は−16度で風速14m

黒百合ヒュッテにあった温度計でもマイナス12.5度くらい。

黒百合ヒュッテ

ザックに入れていたおにぎりが凍っていたため、ソイジョイやクッキーを食べる。厳冬期ではおにぎりは登山開始前までに食べることを学ぶ。そのため石のようになったおにぎりを運ぶことになる。

フリースを着込んだり、アイゼンを装着したり、バラクラバやゴーグルの準備など、稜線装備にして出発!

黒百合ヒュッテにて

中山峠まではあっさりと到着。

黒百合ヒュッテ~中山峠

中山峠

中山峠

この中山峠から先が強風地獄だった!!

中山峠~天狗岳

徐々に風を遮る木々がなくなり、恐ろしいほど冷たい強風が吹き荒れていた。

前回もそうだったけど、天狗岳山頂までのトレースもよくわからない。風に耐えながらゆっくりと登る。

中山峠~天狗岳

なんとか天狗岳に到着。

東天狗山頂

晴天とは裏腹に爆風~

天狗岳からの景色

思っていたよりも風が強くて東天狗山頂にたどり着くまでに時間がかかり、ここの稜線は美しいが西天狗は諦めた。

東天狗からみた西天狗

厳しい環境(風)を肌で実感し、はやく本沢温泉へたどり着かねばと思い先へ進む。

この先、東天狗から根石岳までは見るからにヤバそうだ・・・!!!

東天狗~根石岳

前回はこの東天狗と根石岳の間にある白砂新道から本沢温泉におりたのだが、冬季は雪に覆われて遭難多発のため通行止めになっている。そのため、根石岳を越えて山彦荘・夏沢峠経由で本沢温泉までアクセスする必要がある。

 

この先、誰もいない。

西寄りから吹き付ける冷たい強風が右半身を襲う。

風が強くて真っ直ぐ歩けない。

方向はわかるけどトレースもよくわからない。

時折足が埋もれる。

立ち止まる事も多くなり、ピッケルを雪に突き刺して風に耐える時間もあった。

ゴーグルが曇って、その蒸気が凍り、次第に前が見えなくなった。そのせいでゴーグルをずらすことも多くなった。

そうなると、顔の右側に風が当たって痛い。それでも視界を確保をできるだけした。

風が強すぎて、この状況が辛すぎて、手袋を付けたままではフードやバラクラバをうまく調整できなかった。ボクサーが相手のパンチからガードするようにただ手袋を顔の隣に当てた。

まずは少しでも先へ進むことを優先した。

根石岳から見た東天狗

根石岳山頂

根石岳山頂から山彦山荘・夏沢峠方面へ。右手に見えるのは根石山荘。奥には硫黄岳・横岳・赤岳も見える。

根石岳山頂~山彦荘・夏沢峠

ほとんど平坦な道にも関わらず、ここも容赦なく強風が右半身を襲う。

奥に樹林帯が見える。あそこへ行けば、もう風からは逃れることができるため急いだ。

しかし、樹林帯の手前でトレースが消えてどこから樹林帯に入るのかわからなくなった。

少しの間、ルートを探していると樹林帯から6人ほどのパーティーがやってきて入口がわかった。彼らはみんなワカンを装着していた。

ソロ登山は不安や孤独を感じる。

これは旅にも何にでも言えることだと思うが、ソロか複数かは全く違ったものになる。どちらがどうとかそんなものはない、ただ全く違ったものになる。

樹林帯に入った頃、OsmoAction(アクションカメラ)の電池が落ちた。ここからは風も落ち着いたのでスマホで撮影する。

やや足が埋もれるが、風がない分とても歩きやすい。体感気温もぐっと上がった気がする。

根石岳~山彦荘・夏沢峠

山彦荘・夏沢峠

この夏沢峠は以前に本沢温泉から硫黄岳を登った際に通ったことがあり、緩やかな下りになるだろうことは知っている。

もうここまでくれば楽勝だと思ったが甘かった。雪がない時期はそうだった。でも、今日は違った。

本沢温泉へ続くであろう登山道を見て絶望した。トレースのまったくない深々とした雪道だった。

山彦荘・夏沢峠~本沢温泉

少しだけ歩いて、この雪をラッセルしながら本沢温泉まで行くのはなかなかヤバいだろうと実感したが先へ進むほかなかった。

この山彦荘の脇でテントを張ろうかなど思ったけれど、天狗岳方面へ戻るも地獄、そして硫黄岳へ続く道も同様に誰も歩いていない深い雪道が見えたので一旦本沢温泉へ行くのが無難と判断し先へ進む。

山彦荘・夏沢峠~本沢温泉

腰まで埋まったり、踏み抜いて倒れたりしながら少しずつ前へ進む。ワカンやスノーシューがあればまた違ったのだろうが、持っていないので仕方がない。

山彦荘・夏沢峠~本沢温泉

途中で雪を掘って雪洞を作ってビバークしようかなど考えたがリスクでしかないのでゆっくりと埋もれながら歩いた。

風が当たらないだけマシだった。

ラッセルは大変で何回か小休憩してクッキーなど食べて水筒に入れていたお湯を飲んだりした。

これまでの旅経験からハンガーノック(シャリバテ)、つまりエネルギー切れだけにはなってはいけない状況だと知っていたからだ。

山彦荘・夏沢峠~本沢温泉

トレースが見えてやっと安心した。もう少し頑張ろう!

山彦荘・夏沢峠~本沢温泉

本沢温泉に着いたのは、17時過ぎだった。

本沢温泉

受付をして、テン泊代と野天風呂代を支払った。

テント場に到着するももうへとへとで、正直これからテントを張るためにスコップで整備してテントを張るのが非常にめんどくさいと感じていた。

テント場には、私の他に1組しかいなかった。彼らは雪をブロック状に切り開きイグルーではないけど風が当たらないように雪のブロックを数段積んでテントの周りを囲んでいた。

そこで、その切り開いた跡地にテントを張らせてもらったので整備も最低限ですんだ。

厳冬期の本沢温泉でテント泊@翌日撮影

水場は凍って出なかったが、そこの沢水を汲んで大丈夫だそうなので水筒で水を汲んだ。

本沢温泉の水場@翌日撮影

テントに戻った頃には水筒に付いた沢水が凍って蓋が開かなくなっていた!どうしようもないのでとりあえず翌日まで放置する。(翌日お湯をかけたら蓋は開きました)

凍った水筒@翌日撮影

テント内もなかなかの寒さだった。

今日、野天風呂に入るのは体力的にきついので明日にする。(=時間的に明日の登山は諦めることになる)

カレーラーメンとご飯を食べるともう疲れすぎて横になった。

ポケットの中でカイロで温め続けていたOsmoActionが電池の残量は大幅に減っていたが復活したのでテント内を撮影。

厳冬期の本沢温泉でテント泊

寝袋に入れられる荷物は限られるので取捨選択をする。凍っていたバラクラバやゴーグルなどは諦めた。つまり、翌日の赤岳方面への登山を諦めた。

夏沢峠まで戻ることは選択肢にないというか、またあの大変だった道をしかもラッセルで登るのには完全に心が折れていた。

幸いにもここ本沢温泉からJRの駅方面へ自走でエスケープすることができるということは軽く調べていた。基本的に標高は下がるし樹林帯なのでバラクラバやゴーグルはなくても大丈夫。

明日はゆっくり温泉にでも浸かって帰ると決めて必要な装備を寝袋に詰め込んで共に眠った。

 

寒くて、熟睡はできなかった。

着込んだとはいえ、3シーズン用の寝袋なのだから。SOL(ソル)エスケープライトヴィヴィとエマージェンシーブランケットも使っていないけど常備

100均の銀マットの銀を下向きにしてエアマットを敷いてその上にまた銀マットの銀を上向きにサンドイッチしていた。

朝ごはんを食べてから野天風呂に入るか、それとも野天風呂に入ってから朝ごはんを食べるのか若干迷った。

この寒さで野天風呂から上がってから朝ごはんが食べられるかと考えたら、そういった状況にはないかもしれないなと思い、落ち着いて食べられるときに食べておこうという結論に至った。

6時前に朝ごはんを食べた。

恒例のわかめごはん

11月にこの野天風呂に入ったとき、出るときはとても寒かったのを覚えている。ご飯を食べながら、野天風呂からどのように出たら良いのか作戦を練った。

6時半前には野天風呂に向けて出発した。一応、スコップとピッケルは持っていった。

本沢温泉「雲上の湯」

ところどころ雪をかき分けながら野天風呂まで歩いた。

ついにきたぞ!!

雪の本沢温泉「雲上の湯」

本沢温泉「雲上の湯」

脇に銀マットを敷いて荷物を置いて、温泉に浸かった。

熱くも冷たくもない丁度いい湯加減で最高に幸せな気分になった。のんびりと浸る。

本沢温泉「雲上の湯」

本沢温泉「雲上の湯」での私

さて、日本人の苦手な出口戦略を試す時がきた。

下半身は温泉に浸ったままで上半身からゆっくりと拭いて服を着ていく。そしてようやく温泉から出て下半身も拭いて着込んでいく。完璧だった。

ここは混浴なので異性がいたら難しかっただろう。そう思ったとき、お互いにとって幸いにも服を着込んでから女性2人組がやってきた。無事撤退完了。

 

テントも撤収し、あとはJRの駅へエスケープするのみ。

本沢温泉キャンプ場

オフラインマップをダウンロードしていたので、稲子登山口方面へ歩く。

本沢温泉~稲子登山口

本沢温泉~稲子登山口

途中でザックの紐が切れてしまうトラブルも発生したけど、なんとか解決した。※ちなみに石井スポーツ登山本店で1100円で修理できました

応急処置

道は基本的に歩きやすいが、ときどき雪の下に石などがあるので注意も必要。分かれ道的なのも何回かあった。

本沢温泉~稲子登山口

本沢温泉~稲子登山口

稲子登山口バス停に到着。

稲子登山口バス停

駅まで数キロ歩く予定だったけど、ちょうどバスがやって来たので乗ってみると目的地ではない方向でした…。

海尻駅へ行く予定が小海駅と間違えて結局途中の松原湖駅前くらいで下車した。

松原湖駅

松原湖駅の待合室で情報ノート的な駅ノートを読んでいたら、山後の空腹を満たすべく松原湖駅周辺で2軒立ち寄って得た食糧を駅の待合室に忘れてきてしまった。

松原湖駅の駅ノート

車窓からの景色を見ながらうとうと電車に揺られた。※JR線最高駅の野辺山も通る

JR小海線の車窓から

 

あぁ・・・密閉空間なので臭う、

身体と服からの本沢温泉の硫黄臭(笑)

 

以上「【厳冬期の八ヶ岳】渋の湯から天狗岳を越えて本沢温泉でテン泊して雪の野天風呂に浸かってみた!」でした。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。