【テアラロア35日目】悔恨と葛藤の道

テアラロア - ニュージーランド
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Te Araroa Day 35 Shelter 1016.6〜Taumarunui Canoe Hire

2023年11の情報です
1NZD=約90

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【テアラロア35日目】悔恨と葛藤の道

シェルターの中でカウボーイキャンプ

6時過ぎ、シェルターの中で目を覚ました。昨晩は想像以上に寒く、何度も目を覚まさずにはいられなかった。

朝ごはんを食べる私

結局、夜中にダウンパンツとダウンジャケットを着込んだが、それでも寒さは収まらなかった。一方、オランダ人のマハルは暑かったと言っていた。寝袋の違いかもしれないが、彼がダウンを着ずに寝ていたのが信じられなかった。

7時に出発するつもりでパッキングを始めたが、のんびりしていたら結局7時半を過ぎてしまった。ローラの浄水器がプラティパス製なのに遅いと聞いて確認すると、本当に遅かった。同じブランドでも不良品が混じっているようだ。

出発後、しばらく歩くと舗装された道に出た。道は歩きやすいが、風景は単調で退屈だった。

Taumarunuiの手前で雪山が見え、その美しさに感動した。先に出発していたエレンに追い付き、一緒に歩くことにした。

前を歩くエレン

1140分、Taumarunuiに到着。小さな町だが必要なものは揃うだろう。TAハイカーをチラホラとみかける。

Taumarunui

15時頃だったかにカヌーのツアー会社のバスがニューワールドの前の酒屋にピックアップに来るということで、それまでに7日分のカヌーの食料と5日分のトレッキング食料の買い出しをした。計190ドル、リストを作らずに適当に買った。後ほどハリーに30ドル分を売った。

緑の看板の酒屋

たくさんの食料、紙袋4袋分

買い出しの後、10人以上のTAハイカーと一緒にツアー会社のマイクロバスに揺られて数キロ離れたキャンプ場へ向かった。

大量の食料

これからのカヌーの料金は知らないし、ニュージーランドの物価は高くてお金を使うことがストレスだった。

「いくらだった?」と聞くと、オランダ人のマハルは「気にするなよ、ホリデーなんだから」と笑った。自分のケチな性格が嫌になる。

赤ちゃんと戯れるマハル

ツアー会社に到着後、簡単な説明を受けた。本格的なガイダンスはまた翌日や後日にある。

その後、シャトルに乗っていた13人のうち10人が天候不良や怠惰な理由でここTaumarunuiからWhakahoroをバスでスキップすることにしたとのこと。料金は同じなので数名はTaumarunuiからカヌーを開始する人もいた。

翌日からカヌーにすることにしたらしくパッキング

そして、一緒にカヌーを申し込む予定だった残りの2人は明日は確実に晴れるのでトンガリロを歩きたいとのことで急遽スキップを決め、自分も彼らに流される形で同じ決断をした。彼らの言葉を借りるなら「晴れのギャランティー」とのこと。

急遽トンガリロアルパインクロッシングに行くことになり、往復50ドル。カヌーの申し込みに290ドル、初めの2泊分のキャンプサイトの宿泊料に16ドル×2を支払った。自分の決断に若干の後悔を感じながらも、周りに流されたことが悔しかった。

「本当は歩きたかった」その思いが胸に残る。急かされる中で正しい判断ができなかったことが何よりも悔やまれた。

これはスルーハイクと呼べるのかと疑問を抱いた。すでに短い距離だがヒッチハイクをしている自分。ロングディスタンスハイキングの世界に飛び込む決意をした。歩くペースで天気などの調整は可能だけど確証のない世界に飛び込んだつもりだった。

トンガリロを歩く日を確実に晴れの日にするためにこの先のセクションを犠牲にして、そしてスキップする価値はあるのだろうか。

歩くのが早い自分は、このスキップでこれまで会った人たちと再び会うことができないかもしれないと感じた。

言い訳がましくなるが、それらよりも急かされた中で人に流されて後悔のない意思決定ができなかったことが何よりも悔やまれるのだ。

また、同じスルーハイカーでもハリーはロード歩きはよくヒッチハイクする、エレンはわからないがTaumarunuiでは0dayを取らないと言っていたのでストイックな人だと思っていた。2人とも大好きなハイカーだけど。

「スルーハイクのためなら、雨や曇りのトンガリロでもよかったか?」と問われると、それも嫌だった。性格上、同じ場所に2度は行かないだろうし、この区間は、特にWhakahoroからは交通機関がないので後からでも回収には行かないだろう。

1046.7(Taumarunui Canoe & Jet Tours)1215.1 (Whakahoro)からトンガリロアルパインクロッシングで歩く約27キロを除く、約140キロのスキップ、約4,5日分。

ツアー会社からWhakahoroまでの交通費は無料だが、テアラロアにコースが組み込まれているのとハイカー間で情報が出回っているため、体感半分以上の人がここで300ドル近くでカヌーをレンタルしている。

「どうせなら楽しみたい」という思いと、「無駄にストイックだった自分を許すタイミング」「スルーハイクと呼べるのか?」などの葛藤が交錯する。

楽しいことをしたいのか、やり遂げたいのか、どちらなのか?

テアラロアの完全に歩いてスルーハイクできない仕組みにも苛立ちを感じた。船に乗らないといけないところや、カヌーでグループを組まないといけないところがあるからだ。

ツアー会社の敷地

その後、会って話したセウォンはここまですべて歩いて来たし、これからもすべて歩くと言う。Taumarunuiからツアー会社までの4キロも歩いたという。彼はちゃんと歩いている人で、自分が初めて後ろの人に追いつかれることになった。そのことが、自分にとってはまた衝撃だった。

歩行距離約26キロ