【テ・アラロア完全ガイド】ニュージーランドの絶景ロングトレイルで必要な持ち物や費用を徹底解説

テ・アラロア - ニュージーランド
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2023-24年、ニュージーランドのロングトレイル「テ・アラロア」をスルーハイクしました。

私の登山経験は日帰り登山が多く最長でも1泊2日、今回のTAがはじめてのロングディスタンスハイキングでした。

東京都内から公共交通機関を使って日帰り登山・縦走できるコース【難易度別】

この記事では、私がテ・アラロアを歩く前に知りたかった情報をまとめています。

持ち物や費用、ルートの特徴、そして実際に歩いて感じたことまで、ニュージーランドのテ・アラロアのリアルをお伝えします。これからテ・アラロアを歩く方、セクションハイクを検討している方にとって、役立つ情報をお届けします!

※2023年10月-2024年2月の情報です
※1NZD=約90円

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テ・アラロアについて【期間・トレイルの特徴】

テ・アラロアの標識

テ・アラロアとは

テ・アラロアとは、先住民マオリの言葉で「長い道のり」という意味で、ニュージーランドを南北に縦断する約3000キロのロングトレイルです。北はケープレインガ~南はブラフを結び、北島が約1700キロ、南島が約1300キロあります。

テ・アラロア(Te Araroa)、略してTAです。テ・アラロアを歩くハイカーをTAハイカーといいます。北から南へ歩くことをSOBO、南から北へ歩くことをNOBOと呼びます。例えば、SOBOのTAハイカーは北から南へテ・アラロアを歩いているハイカーです。

テ・アラロアの南島のトレイル、TA公式アプリより

テ・アラロアのルートは公式TAアプリやHP、地図アプリFaroutから確認することができます。

スルーハイクの期間は約4ヶ月

テ・アラロアは全長3000キロ、北島が約1700キロ、南島が約1300キロなので、スルーハイクしようとすると歩行期間は長くなります。ニュージーランドは南半球なので10月から翌年4月がシーズンです。

私は10月23日スタートで北から南のスルーハイクを108日間で行いました。北島58日(0 dayは8日)、南島50日(0 dayは2日)です。

まわりのSOBOハイカーをみると、テ・アラロアをスルーハイクの期間は4ヶ月前後が多い印象でした。早い人だと100日以内、やはり120~130日くらいが平均ですね。南島だけでも約2ヶ月は必要で12月~2月の出発かと思います。

また、1日の歩行距離、歩かない日(0 day)やサイドトリップ(テ・アラロア中の旅行)をどのくらいするかで期間は大きく変わってきます。

セクションハイクについて

テ・アラロアは、必ずしも全ルートを一度にスルーハイクする必要はありません。セクションハイクでも十分楽しむことができると思いました。

トレイルは各セクションごとに別れており、2泊3日~1週間程度で歩くことができます。

ちなみに、セクションハイクで一番のおすすめはネルソンレイクのセクションです。長くてやや険しいトレイルになりますがとにかく景色が壮大で美しいです。

【テアラロア72日目】Blue Lake Hut ~ Waiau Hut

セクションハイクはニュージーランド在住のアウトドアが好きな方や少しずつテ・アラロアを制覇したい方にはおすすめですが、特に初心者の方はグレートウォークのほうがいいかもしれません。

北島・南島のトレイルの特徴

テ・アラロアのトレイルはありのままの自然を歩く印象です。特徴としては、天気の移り変わりが激しく(雨が多い)、トレイルが泥だらけで渡渉がよくあります。ルートが分かりづらいことも何回もありました。熊やヘビなどの危険な生物はいませんが、痛い植物やポッサムなどのやっかいな動物は出現します。北島と南島、ぜんぜん違うハイキングができたので両島とも歩いて良かったです。

北島のトレイルの特徴

Ninety Mile Beach

長いビーチウォークからはじまり地域の山を繋げて歩くような印象でした。町を通過するのでニュージーランドの文化を感じられ地元の人々との出会いもあります。

トレイルの特徴は登山道では泥が多く、舗装路やグラベルロードを歩くことが多いがリサプライが楽なので多くの食料を持ち運ぶ必要がないです。潮のタイミング合わせが必要な渡渉や、カヌーセクションもあります。

北島は宿代が高いと思いました。ニュージーランドは基本的に野宿禁止なので町ではホリデーパークと呼ばれるキャンプ場かバックパッカーズに宿泊することになり、ほとんどの場合が有料での宿泊となる。1泊あたり、キャンプが10ドル~50ドル(シェア可能な区画の場合)、ドミトリーが40ドル前後かかります。

南島のトレイルの特徴

Royal Hut

南島だけをスルーハイクする人は多く、SOBOは簡単なQCTからはじまるので南島スタートの人でも順応しやすいです。

山岳地帯や河川の渡渉が増え、自然が雄大にそして険しくなります。川の源流をたどるのかと思うくらい川沿い歩きはあるし、靴は渡渉や雨が降らなくても草木の朝露などでもほぼ毎日濡れます。南島前半は泥は少なく、後半になると増えてくる印象です。

南島の特徴としては、パスやサドル(峠)を越えながら、圧倒的な山岳風景や自然に囲まれた日々を楽しむことができます。そのため1セクションの期間が長くなり多くの食料を持ち運ぶ必要があります。リサプライも町までヒッチハイクするか、フードボックスを送ったほうが良いセクションも出てきます。

ハット(Hut)と呼ばれる山小屋が多くあるのでニュージーランド特有のトレイル文化を体験できます。さらに、シーズンパスを買えばかなりお得に宿泊できます。DOCのハットに泊まり放題の6ヶ月パスが120ドルでした。オンラインで購入可能です。Hutの基本ルールが「first-come, first served」だけが注意点です。Hutのおかげで私は南島ではほとんどテント泊していません。

南島だけならもう一度テ・アラロアを歩きたいなと思いました。

テ・アラロアの費用について

テ・アラロア108日間の費用は概算60万円でした。節約しましたが。。

正直、どこまでの金額を計上すべきかわかりませんが上記の金額は、テ・アラロア1日目から108日目までの出費+SIMカード7000円(3ヶ月)×2+現地保険(Orbit)半年3万円+オークランドからカイタイアまでの移動費約7000円込みの金額です。中間地点のウェリントンで購入した装備(衣類)や途中で購入した靴3足10万円分は含み、日本で揃えておけば現地で買う必要のなかったエアマットやトレッキングポールなどの装備と航空券代は含まれていません。

テ・アラロアを歩いている期間の費用以外に、往復航空券代(預け荷物なしで安くて片道6万円台~)や、歩きはじめる前のニュージーランドでの滞在・食費などの出費、歩き終えた後の移動などを含めると、大目に見て+20万円~ほどは必要になってくると思います。

トレイルヘッドまでの移動をすべてヒッチハイクにするとかなりの金額を節約できると思います。

欧米からのハイカーやオーストラリア人ハイカーたちを見ていると、私は節約したほうだと思いますがこのような出費になりました。町にいるときの贅沢な食事は安いピザかハンバーガーとチップス、宿は基本テント泊かドミトリーでした。

ニュージーランドの物価は高い、移動や宿泊の相場も紹介

スーパーのコーラの値段、600mlで360円くらい

ニュージーランドの物価は高いです。

スーパーでも日本よりだいぶ高いと感じてしまいます。私は何度かゆで卵を持ち運んでいたのですが特に卵が高く、1つ1ドル近くします。毎回リサプライのたびに買い出しで数千円は飛んでいきます。町の個人商店だと更に高いですが、それでも外食するよりは安いんです。

外食は特に高くて基本20ドルは超えます。

Takeawayなどの安いところでチップスが4ドル~、ハンバーガー6ドル~、パイ6ドル~、コーヒー5ドル前後です。チェーンのピザ屋だけは安くて10ドル前後で食べることができます。

ハンバーガーとチップスとコーラで15ドル

25ドル

ピザとポテトとコーラで43ドル

ニュージーランド(テ・アラロア)の移動費。以下が私が利用した交通費です。

  • オークランド~カイタイア70ドル(インターシティ)
  • カイタイア~ケープレインガ40ドル(シェアタクシー)
  • ウェリントン~ピクトン76ドル(フェリー)
  • ピクトン~シップコーブ70ドル(ウォータータクシー、ツアーに参加)
  • ジラルディン~トレイルヘッド75ドル(シェアタクシー)
  • クイーンズタウン~グリーンストーン69ドル(旅行会社のバス)

他にも迂回やボートなどによる移動はあります。フェリーは仕方ないが陸路ならヒッチハイクでかなり節約できます。

宿泊費の相場、特に北島はキャンプが10ドル-25ドル、ときどき50ドル以上なことがありますがシェア可能な区画なので人数で割れる。キャビンが30-40ドルくらい。そしてバックパッカーズのドミトリーが40ドル前後かかります。南島のほうが宿泊費は高めでセントアーナウドやテカポ、クイーンズタウンなどでは倍くらい~します。ワナカでキャンプした際は30ドルでした。もちろんHutは半年のハットパス120ドルで泊まり放題(一部有料Hutあり)です。

キャッシュレスの支払いが主流、でも現金も必要!

ニュージーランドはキャッシュレス(スマホまたはカード支払い)がかなり復旧していています。

ほとんどのお店でキャッシュレスで支払えます。私はiPhoneを使っているのですがアップルペイ(クイックペイ)がかなり便利でした。

しかし、大きなチェーン店以外のお店だとペイウェーブはできずカードを挿す必要がありますしクレジットカード手数料を取られます。

店舗以外はキャッシュレスで支払えず、ときどきキャンプサイト(オンラインで支払える場合もある)などで現金を投入するところやトレイルエンジェルに支払う場合は現金でした。

現金も数百ドル(私は出発時700ドル)は持っていたほうがよくて小額紙幣があれば使いやすいです。現金の引き出しはBNZのATMが手数料無料でした。※カヌーの支払いに約300ドル以上必要

テ・アラロアの持ち物や装備について

TA最高地点のStag Saddleにて

私はニュージーランドへ日本から機内持ち込みの約7キロだけできました。足りないものは現地で買いました。

主な持ち物と簡単なコメントは以下の記事に書いています。

【テアラロアの装備】日本から持って行ったものオークランドで買ったもの

今回がはじめてのロングディスタンスハイキングだったのでまわりの慣れたハイカーたちの装備を見ていて学ぶことや羨ましく思うこともありました。

私の荷物はULではないが軽い方だと思います。しかし、身長180センチ以上の大きなハイカーたちが自分よりも軽い荷物を背負っているとどうも損した気分になることもあります。

そんなニュージーランドのテ・アラロアを歩いている中で、「持っていって良かった持ち物」、「現地で買って良かったもの」、「必要なかったもの」、「羨ましかった装備」をいくつか紹介します。

持っていって良かった持ち物

  • ファイントラックのナノタオル
    軽くて小さくて良かった。男性ならシャワー浴びても十分使えますし速乾。少し肌寒いときは首に巻いたり、汗を拭いたりマルチに使っていました。ナノハンカチも持っていっていて結露も拭いたかな
  • モンベルの折りたたみ傘(トレッキングアンブレラ)
    軽量で小さく、強風の中でも使える強度でした。テ・アラロアを歩いていると雨は少なくありません。ちょっとした雨の際は特に便利でした。暴風雨時以外は頭や胸元など体の中心は濡れづらいので体温を維持できました。

モンベルの トレッキングアンブレラをさして歩く私

  • Zoffの調光レンズ
    ニュージーランドの日差し(紫外線)はとても強いです。私はメガネユーザーなのでロングトレイルにおけるサングラス問題に直面しました。度付きのサングラスも良いが、1本2役で荷物を軽くできる調光レンズにしてみたら快適でした。ヒッチハイク時はサングラスで目元が見えづらいので気になりましたが乗車率に関わるのかはわかりませんでした。
【メガネ民におすすめ】調光レンズで海外旅行やアウトドアがもっと快適になる!!
  • HMGのファニーパック(ウエストポーチ)
    DCF素材で軽量で雨にも強いです。大雨時は念の為レインコートで覆うと浸水はしませんでした。便利なサイズ感で貴重品はこの中で管理、スマホを収納するのにちょうどよい裏側のポケットもあります。よく使うリップクリームも収納。ほぼ常に身に付けることになるのでいるので多少高いですがおすすめです。

現地で買って役立ったもの

  • パックライナー
    ニュージーランドのアウトドアショップで売っている黄色い大きな袋です。カットして使用しました。テ・アラロアは雨が多いのでうつ側からの防水が不可欠。少し重い。
  • カウントダウン(ウールワース)のエコバッグ
    テント泊やHutに滞在しているときに荷物の整理や持ち運びにとても役立ちました。買い出しにも便利です。軽くて強度もあり水にも強いのでバックパック(トレイルバムのステディ)のトップに取り付けていました。しかも、価格も1ドルほど。私はよく冗談で「これはDCFだぞ」と言っていました。
  • ポーラテックアルファダイレクトのフリース
    ニュージーランドは思っていたよりも寒くてオークランド到着後にマックパックで購入。テ・アラロアのハイカーたちはこのフリースの着用率は高い。軽量でとても良かった。
  • ミニゲイター
    使用していたのはアルトラのゲイターです。歩いていると煩わしい小石などの靴への侵入を防いでくれてストレスが減った。小さな石でもブリスター(水ぶくれ)の原因になる。なお、泥には敵わない。
  • icebreakerの靴下(マルチスポーツ ライトミニ)
    履き心地良し。ニュージーランド国内のicebreakerやBivouacで無料で新品に交換してくれるのでニュージーランドでのトレイルだとお得感は強い。

個人的に不便だったもの・いらなかったもの

  • ソーヤミニ
    ろ過スピードが遅くエネルギーと時間を使いかなりストレスだった。レギュラータイプかマイクロスクィーズ、または他メーカのが良い。パッキンが変形しやすいのでボトルなどに付け放しはよくない。
  • アームカバーとレッグカバー
    一見便利そうに見えるのだが自分には合わなかった。装備の点数も増えるのもマイナスポイント。フーディー1枚で解決した。レッグカバーは寒ければレインパンツなど履けばいい。
  • 南京錠
    使うタイミングがなかった。貴重品は常に身に付けるウエストポーチで管理。

羨ましかった装備・欲しい装備【次回に向けて】

そりゃお金かけたらいい装備になるよなー

  • 暖かい寝袋
    テ・アラロアを歩く中でマイナス2度が一番寒い朝だった。私はモンベルの#3を使用しており、もう一段温かい寝袋があればよかったと感じた。他のハイカーを見ていても寝袋はしっかりしていた。#3ダウンハガー800は湿度でのロフトダウンが気になったが、結果的に耐えたのか?
  • 非自立式のテント(トレッキングポール使用)
    多くのハイカーがDURSTONやZpacksなどの非自立式のテントを使用していて羨ましかった。テ・アラロアの悪路でトレッキングポールを折ったハイカーは困っていたが軽量なのが良い。使用するスペースが大きいので日本の山には不向きかもしれない。モンベルのステラリッジも良かったです。でも、どうしても重量が倍くらいします。
  • 薄くて強いパックライナー
    Ultralight Hikerなどが出しているNylofume® Linerなど。ニュージーランドで買った黄色いパックライナーは途中で破れた。
  • チタン製のクッカー
    どうせ手の込んだ自炊はをしないので軽い方が良い
  • ポーラテックアルファダイレクトのパンツ

【食べ物について】水道水とフードボックス

こちらの記事では、テ・アラロア中のリサプライ(次のトレイルのための買い出し)や、最終的にこうなってしまった私の食事を紹介しています。

【テ・アラロア番外編】私のハイカートラッシュ飯

ニュージーランドの水道水は飲めます

北から南まで、そのへんの町の公園とか道にある水道水をろ過せずにそのまま飲んでいました。一度もお腹を壊したり体調不良になりませんでした。

川の水も直接飲んでいるハイカーもいましたが、私はそれはしませんでした。ぱっと見綺麗でも実際はどうなのかわかりませんし。

ハット雨水タンクと川の水は必ずろ過するようにしていました。浄化する液体かタブレットを持っているハイカーもいましたがソーヤなどの浄水器のみで大丈夫です。

フードボックスについてはこちらの記事をどうぞ。

【テアラロア51日目】南島へフードボックスを送るための0day(南島のちょっとした情報)

テ・アラロアのあれこれ

トレイルエンジェルって

トレイルエンジェル(Trail Angel) とは、ハイカーに対して無償・有償でのサポートや親切を提供する人々のことです。荷物の受取もしていただけるそうで、私も何度かトレイルエンジェルに宿泊のお世話になりましたし、トレイルエンジェルなしでは難しいのではないかと思うセクションもありました。

最近では宿泊系の無償のトレイルエンジェルはだいぶ減っていると思います。私はトレイルエンジェルの主にガレージや離れに宿泊する際は20-30ドルのコハ(寄付)をしました。金額は向こうから提示してくれるかFaroutのコメント欄に書かれています。

ちなみに私が宿泊したトレイルエンジェルの場所は「ピロンギアの後(Jo Farm)」「Te Kuiti」「Palmerston North」「Bluff」です。詳しいことは各日記をご覧ください。

なお、トレイルエンジェルはFBのテアラロアのグループ「Te Araroa Trail Angels」などからも探すことができます。

トレイル・セクションのスケジュールについて【私の場合】

私のメモ帳のスクリーンショットから

はじめてのロングトレイルで予定の立て方がわからなかたが最終的にいきついたのはメモに距離と宿泊できそうなポイント、そして誰かが歩いたコースタイム(Faroutのコメントより)を書き込むことでした。

上記画像は私のメモです。自分以外に見せることはなかったので体裁は適当です。情報量は少ないですが個人的にはシンプルで見やすく毎日の目的地やセクションの予定(何泊必要か)を決めるのには役立ちました。「!」は宿泊しようかなと考えていた場所です。

テ・アラロアを歩き出してしばらくすると、自分の歩くペースや一日の歩行距離などわかるようになってくると思います。それを踏まえて上記のメモと予定を考えていました。

テ・アラロアは情報収集(特に天気、渡渉)がとても大切なので、自分の歩くトレイル、歩く予定のトレイルの情報を日々更新していくことが大切です。

まわりのハイカーはみんないつの間にそんなに情報収集したんだと思うくらい詳しいです。

この予定を立てる作業は電波がなくてもできるので目的地に着いた後の空き時間にメモを作成しています。次のセクションを知ることはとても重要です。

北島序盤は漠然と毎日を必死で歩いていましたが、オークランド手前くらいからメモを活用し簡単な予定を立てはじめました。

あくまでも私はこうしていただけなので参考までに受け止めてください。

テ・アラロアでトラブル

カメラ水没

テ・アラロアを歩いていて致命的なトラブルは幸いありませんでした。ですが、小さなトラブルや厄介事は度々あります。水ぶくれ(ブリスター)のことなんかは序盤は毎日考えていましたね(笑)

自分の中で一番のトラブルといえば、北島終盤のタラルアレンジでカメラを落としてしまい、そのまま川に沈んだことですね。カメラは嗜好品なので歩くことには影響はないのですが精神的ダメージが大きく、その日はすぐに歩くことをやめました。後のウェリントンで適切に処分しました。SDカード内のデータは無事でした。

ろ過設備の不具合もありました。使用していたソーヤミニの白いパッキンが変形し、ろ過する際に漏れてしまいました。水は最悪煮沸すればいいのですが手間です。アウトドアショップで予備パッキンを入手し、ソーヤミニを使用しないときはボトルなどに付けっぱなしにしないようにすることで変形を防ぐようにしました。

テ・アラロアのトレイルはときに異様に険しいときがあります。ちょっとした油断や天候の悪化ですぐに危険な状態に陥ると思いました。聞いた話だと、何人もTAハイカーは負傷し救助されています。会ったことのあるハイカーもリッチモンドで救助を呼んだそうです。私も小さな滑落はしましたし、嵐で少し危機も感じました。

緊急時に救助を呼ぶためにも「ビーコン」や「ガーミンのインリーチ」などは必要です。私もオークランドでビーコンを600ドルくらいで購入し持ち運んでいました。TA後に420ドルで売れました。

ほぼすべてのハイカーがなんらか(インリーチ率高い)持っていました。TAを歩くなら不測の事態に備えて助けを呼ぶことのできる装置は必需品ですね。

テ・アラロアでやっかいな動植物たち

夜中、シェルターにいたポッサム

テ・アラロアではやっかいな動植物と遭遇します。トレイルを歩いているときは痛い植物、テント泊などしているときは動物とサンドフライと蚊です。以下、簡単に紹介します。

  • 痛い植物たち

テ・アラロアの痛い植物たち

北島に多いのは左側の2植物、南島はまんべんなくいるイメージです。迂回するやレインウェアを着るくらいしか対処法がないですが、歩いていると慣れてきます。しかし、一番苦手なのは右下の植物です。針で刺されたような痛みで動きが一瞬止まるほどです。靴の上からでも痛いです。

  • サンドフライと蚊
    サンドフライは常に厄介です。ニュージーランド全域にいる印象ですが異常発生しているところもあります。長く噛まれると少し痛みを感じて気が付きます。その後は数日痒さが続きます。小さいのでテントの中にも侵入してきます。夜になると大人しくなります。蚊はサンドフライト比べると可愛いものですがハットで就寝中に夜に襲ってくるとうざいです。物理的に服で覆うか虫よけが効果的です。
  • ポッサム
    ポッサムは北島の森のキャンプ場とクイーン・シャーロットで遭遇しました。夜行性で食べ物の臭いでこっそりと忍び寄ってきます。テントに食べ物を入れておくと近づいてきてノックしてきます。最悪は破られてしまいます。対策はフィードバックなどに入れてシェルターなどの獲られない位置に吊るすことです。独特な鳴き声も発します。
  • ウェカ
    南島のクイーン・シャーロットに多く生息する鳥です。はじめてみたときに私はキウイかと思ってしまいました。ウェカはよく小物を盗みんで隠します。サンダルを盗られているハイカーや、無事に近くの茂みで見つかりましたが靴を干しているときに中敷きを取られたハイカーもいました。何度もトライしてくるのでやっかいです。
  • ケア(KEA)
    南島にいるオウムで、生息している地域は広くないし個体数も少ないが好奇心旺盛でなんでも突いたり齧ったりします。アーサーズパス近辺で見かけました。テントを破られたり、トレッキングポールの持つところを齧られるそうです。鳴き声も特徴的です。

テ・アラロアで役立ったアプリなど

FarOutが便利

  • 地図アプリFarOut
    有料だが、これなしではテ・アラロア歩くのは難易度がだいぶ上がると思われるほどに便利。GPSで居場所もわかるのはもちろん、各ポイントにハイカーのコメントがあってそれを閲覧できるのが一番のポイントです。水場もわかりやすい。
  • 公式TAアプリ
    無料だが地名やHutなどの各ポイントがわかりづらくて使いづらい。長押しでセクションの情報(トレイルノート)を見ることができる。
  • Googleマップ
    都市部では便利です。スーパーなどの場所や営業時間、バスやメトロなどの乗換案内で役立ちました。
  • Mapsme
    オフラインの地図アプリ。基本使わないが、テ・アラロアのルートではないトレイルを歩いているときに助けられましたし、知り合いのTAハイカーがトレイルから途中離脱する際にとても役立ちました。
  • フェイスブック
    FB上にテ・アラロアのグループ、トレイルエンジェルのグループがあり情報収集に便利。また、マーケットプレイスで装備を売買できる。
  • インスタグラム
    ほとんどのハイカーが持っているので交換してトレイルの近況が知れる。メッセージ機能も便利。
  • ワッツアップ
    月ごとのテ・アラロアのグループがあって、リアルタイムの最新情報や困った際に質問などできる。
  • ニューワールドアプリ(カウントダウンはカード)
    会員価格で安くなる場合がある。

スマホのSIMカードはSparkを使っていましたが特に問題はありませんでした。

SparkのSIMカードのプラン

ONE(Vodafone)のSIMカードのプラン

ハイカーのトイレ事情

Merrivale Hutのトイレ

トイレ事情は発信しにくい情報ですが大切なことなので書きます。

ニュージーランドの町中には公共のトイレがありますし、トイレの数は他国よりも多いので町の規模に関わらずトイレ事情に関しては安心できました。

しかし、トレイルではそうはいきません。こんなことは書きたくはないですが私はテ・アラロア中に立ちションは数え切れず、1回だけ野糞しました。

女性ハイカーも隠れて野ション、または立ちションするためにピーカップを使用しているハイカーもいました。そして、トイレットペーパー代わりに(詳しくないが)Kula Cloth Reusable Antimicrobial Pee Clothを使用しバックパックの外側に取り付けている女性ハイカーも少なくありません。

Hutのトイレは洋式ですが所謂ボットントイレです。

他のハイカーがどうしているのか聞いていないですが、(ココだけの話ですが)私はこれまでのバックパッカー旅の中でインド式を習得しておりペットボトルの水だけで完結できるのはかなりのアドバンテージでした。

トイレットペーパー類は逆にクッカーやカトラリーを拭くために少量持ち運んでいました。そして、トイレットペーパーは宿などで必要なときに少量拝借し、ときには長いセクションで困っているハイカーに分け与えたこともあります。

これが今記事でいちばん重要なポイントですが、「朝出発する前やHutにいる間に大は済ませたほうがいい」です。

TAハイカーの一日【私の場合】

テ・アラロアの北島最南端に到着

ハイカーは基本的に歩いて、食べて、寝る、以上です。

前提として、私は怠惰な人間です。

  • 朝は早起きして朝ご飯をしっかり食べる
  • 出発前に「大」をする
  • 歩く
  • 時と場合によりますが歩きながらトルティーヤや穀物バーを食べる
  • 歩く
  • 目的地に到着(昼過ぎから15時には到着したい)
  • Hutではのんびりと過ごす、町に降りたときはリサプライ
  • 早めにご飯を食べて、翌日の朝ご飯と行動食の準備
  • 早めの就寝

Hut泊の場合はシャワーがないので川に沐浴に行く場合があります。しかし、大抵の場合は寒すぎて、または水が冷たすぎて難しいです。欧米の方々は気持ちよさそうにしていますが私にとっては苦行です。天気と到着時間によりますが、川で靴下や下着、シャツくらいは洗うこともあります。

町で宿泊の場合は実はとても忙しいです。次のセクションのためのリサプライが必要になり買い出しに行く必要があります。洗濯は手洗いもしていましたが途中からはコインランドリーをシェアして使うようになりました。ホリデーパークなどには干すスペースはあります。電波もあるのでメッセージの確認などいろいろすることはあり、気が付けば時間が経っています。

各日については、当ブログのカテゴリー欄テ・アラロア – ニュージーランドより日記をご覧ください。

テ・アラロアを歩いた感想

テ・アラロアめちゃくちゃ楽しかったです。

もちろん瞬間的にや、1日単位でみると、道のりが大変だったり雨に打たれて濡れて寒くて辛い日もありました。でも、そんなことはどうでもいいくらいにニュージーランドの無為自然な大地を歩いて過ごすことは素晴らしかった。

100日以上かけて歩いたはずなのに、なんだかあっという間に終わったような気がします。ワナカあたりまで来ると、ゴールできるよりも、やばいもうテ・アラロアが終わっちゃうと寂しい気持ちになりました。

特に私はテ・アラロア終わったあとのことを何も考えていなくて、周囲のハイカーからは「ヨーヨーしろよ」と言われていました。このときヨーヨーが英語ということを知りました。そう、ヨーヨーのようにゴールに着いたらそのまままた逆方向に歩きはじめることです。旅友達が言った「終りが見えない夢中なときが一番幸せなんだな」、この言葉がまさにその通りでした。

はじめてのロングトレイルであっさりとゴールをしてしまい思ったよりも達成感はなかった。というのも正直な気持ちです。北島の序盤は歩くのがいっぱいいっぱいでしたが南島はかなり余力を残して仲の良いハイカーたちと歩いて楽しく過ごしていたからかもしれません。

孤高に歩いたほうが良かったのかなんて考えたりもしました。でも、まわりに流されちゃうのはやっぱり自分だな、なんて。

「もうロングディスタンスハイキングなんてしたくない」と思ってしまったほうがよかったかもしれませんが、残念ながら大変さよりも楽しい気持ちのほうが勝りましたので、次はアメリカかもしれませんね。

荷物は軽くしたいけど、ある程度の苦しさも求めていてめんどくさいな自分と思いました。

テ・アラロアの感想を書いていて、この日のことを思い出しました。

【テアラロア92日目】Wanaka ~ Fern Burn Hut

「できることを証明する必要はない」

ただ日々を楽しむことだけができればいいのかもしれない。

んー、なんか人生迷っているなー。

とりあえず、テ・アラロア歩いて楽しかったです。歩いて良かったです。

テ・アラロアを歩くことに興味がある方!

テ・アラロアを歩くことでどんな景色が見られるか、どんな感じのトレイルなのか気になる方に朗報です!

写真ならインスタグラムで見られますし、日記なら当ブログからすべて無料で読めてしまいます。

インスタグラム @atsushi7yoshida

テ・アラロアのちょっとした動画もあります。よかったら見てね!

私はトレイルエンジェルとしてお金はないけどテ・アラロアを歩いた経験があります。もし、ブログや各SNSを見て質問したいことやわからないことなどあればインスタグラムまたはツイッター(X)経由で質問にお答えいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。