2025年5月24日〜9月12日まで、アメリカ西海岸を南北に縦断するロングトレイル Pacific Crest Trail(パシフィック・クレスト・トレイル/通称PCT)を歩きました。
今記事では、PCTのお金の話。実際にPCTをスルーハイクするといくらかかるのか紹介します。
まず、結論からいうと、
PCT約4,200キロ、112日間の旅での出費は合計で約50万円でした。
※概算になります
※2025年夏はドル円が140円台後半
それでは以下で、詳しく解説していきます。
PCTスルーハイクにかかった費用は112日間で概算50万円

PCT 砂漠のセクションにて
PCTハイカーの平均は?
PCTの調査によると、PCTをスルーハイクするのには平均4.5ヶ月(144日)、費用は平均1万ドル、日本円で約150万円だそう。
Pacific Crest Trail Hiker Survey (2025)
私の場合、期間は112日、その間の費用は約50万円でした。他のハイカーと比べても、期間は短く、費用もだいぶ安いと思われます。
費用や期間については、ハイカーによって大きく異なります!
私のPCTの費用について
| PCT112日間の実費合計 | ¥510,000 |
| 食費 | ¥255,500 |
| PCT DAYS | ¥75,000 |
| シューズ(3足) | ¥80,000 |
| 衣類・消耗品 | ¥21,000 |
| ギア類 | ¥23,500 |
| 宿泊費 | ¥20,000 |
| 通信費 | ¥10,000 |
| 交通費 | ¥10,000 |
| 送料・受取費 | ¥15,000 |
※費用の集計は、クレジットカードの明細を利用し、全体の費用から各項目を引いた残りを食費としました。したがって、項目の中で多少のズレはあるが、PCTの実費合計は概ね正しいはず

クレジットカード、月ごとの支払額
上記の費用に含まれるもの、含まれないもの
含まれているもの
- PCT初日からゴールまでの出費
- 靴やウェアなど消耗品の買い替え
- 現地調達の小さなギア
- ベアキャニスター
- フードボックスの送料など
含まれていないもの
- 航空券往復約12万
- 海外旅行保険約10万(期間短縮のため内2万円は返金された)
- PCT前後の滞在費(ドミトリー1泊6,000~7,000円)
- スタート前の装備費
諸々含めても100万円以内くらいだと思います。

食費について

スノーコルミーパスで食べた朝食20ドルちょっと
リサプライと外食などの費用を含めた合計金額。1日平均は約2,300円。
リサプライでは、ラーメンはマルちゃんやトップラーメンの安いインスタント麺も買っていたが、サッポロ一番など美味しいものがあれば高くても優先的に購入していた。途中から、朝ごはんと行動食にバーを食べることが増えて費用が嵩んだ可能性はある。
外食についても、町に降りるとハンバーガーやピザなどカロリー重視で爆食いしていました。ファストフード店があれば積極的に利用、特にマクドナルドではポイントが貯まる。トレイルを歩いていると、ジャンクフードでもなんでも食べたくなる。外食は1回1,500~5,000円ほど、ファストフードだと2,000円前後、それ以外だと4,000円前後。
PCT DAYSについて

日本人PCTハイカーたち@PCT DAYS
この経験はプライスレス。このために移動日も含めて4日間費やした。※この4日間も112日に計上されています
交通費はSistersからのバスが往復約2万円、ポートランドから会場までの移動費が往復約4,000円。会場でのテント泊が約7,500円、お土産としてフリース2枚購入したのが2万円、ラッフルズ(アメリカのビンゴ大会)に3,000円、その他は食費など。
出費はたくさんあるが、装備も無料で手に入れているのであまり高い気はしない。例えば、EXPEDのマットはラッフルズで当たって手に入れたり、帽子、ファニーパック、ネックウォーマー、ショルダーポーチなどたくさん無料で手に入れたり、バックパックの修理もできた。
一番価値があったのは、PCTを歩く仲間たちと会えたこと。会場であるカスケードロックスからの距離次第で交通費やアクセスの利便性は変わるが無理をしてでも参加することを強くおすすめする。
PCT全行程で使用したのは全部で4足

Topo MTN RACER 4
1足目は、norda 002、歩きはじめて早々に足に合わず約250マイル地点のビッグベアで泣く泣く買い替えた。
2足目は、Topoのマウンテンレーサー、ビッグベアからシエラを歩き抜いた。
3足目は、Topoのトラバース、サウスレイクタホからカスケードロックスまで歩きすぎた。
4足目は、アルトラのオリンパス725、ワシントンセクションで使用。
衣類・消耗品・ギア類

肩のところが破れて局所的に猛烈に日焼けした
砂漠セクションで早くも長袖のフーディーが破れてしまったので、新しいのをオンライン注文した。その他、靴下2セットを途中で追加購入。
ギア類は、ベアキャニスター、バグネット、ディート、ウォーターキャリー、フードバッグ。
宿泊費について

このスタイルをカウボーイキャンプという
屋根の下で寝たのは全部で5回。そのうち有料だったのは、ハイカーたちとエアビーをシェアした17ドル、アシュランドで宿泊したホステルのドミトリー40ドルの2回です。残りは、一般家庭、モーテル、教会にご厚意で無料で泊めていただいた。
町や町近くで宿泊する際は有料のキャンプ場を利用した。5ドル~25ドルが相場でした。PCTでは有料・無料含め100泊以上はキャンプしている計算になる。
また、洗濯は、(洗剤使わず)小川や水道などで手洗いしたり、コインランドリーも全体を通して数回は使用した。他のハイカーとシェアするといい。基本は同じ服を着続ける(苦笑)
通信費について

現地シムよりも繋がる楽天のSIMカード(R)
シムカードは買わない予定で、日本で契約している楽天の海外利用2GBで対応するはずだったのだが、スタート前にオンラインショッピングのトラブルなどがあり、急遽現地シムを契約することになった。それも、夜中だったのでテキトーに見つけたUS Mobileという格安シム会社と契約。3ヶ月45ドル+1ヶ月25ドルかかった。
シムのプロバイダーを選ぶ際は、VerizonがPCTではネットワークが網羅されているのでおすすめ。楽天モバイルは、特定のプロバダーというよりはその場所で繋がるところと接続してくれたので使い勝手が良かった。
結果的に、アメリカの番号を持っていて便利だったので、すべてネットで完結できるしアメリカ版格安シムはおすすめできる。シムや通信については準備編でも紹介しています。

交通費について

Stehekinへのシャトルバス
基本的にリサプライは、PCT上から離れているのでヒッチハイクをすることになるが、中にはVVRなどボートでアクセスや、ステヘキンなどシャトルバスを使うシーンもある。トレイルエンジェルに有料・無料で送ってもらうこともある。
私は足のトラブルでVVRへ、ステへキンへはリサプライで立ち寄った。その他、公共バスに2ドル、トレイルエンジェルに5ドル寄付した。
別に、VVRもボートを使わずにアクセスができるし、ステヘキンの代わりにマザマへヒッチハイクすれば交通費は節約もできる。ヒッチハイクは不確実性とリスクがあるぶん無料。
PCT、ロングディスタンスハイキングの醍醐味の一つはヒッチハイクかもしれない。
送料・受取費

フードボックスとベア缶の受取で20ドル…
バウンズボックスやフードボックス、ベアキャニスターを送る際は送料は絶対にかかる。私はバウンズボックスは利用していないが、ワシントンセクションのためにフードボックスを2ヶ所に送った。郵便局の段ボールMサイズの送料は1箱約20ドル。郵便局間の受取は無料だが、施設に送った場合は、受取費の相場は5-10ドルほど。
ベアキャニスターは、レンタル派と購入派がいる。レンタルは効率は良いが保証金が戻ってこないなどのトラブルを聞いたこともある。購入するなら、日本では割高で送料もかかるので、現地のREIなどで購入するか、ケネディメドウズで直接買う(在庫要確認)のがいい。私はREIオンラインで購入し、ケネディメドウズへ無料で郵送。シエラ後は友人に託し、再びワシントンセクションのホワイトパスに送ってもらった。ワシントンでウルサックを使うか、無防備または吊るしてキャンプするかで状況は最適解は変わると思う。
私のPCTスルーハイクのスタイル

PCTの費用については、期間の長さや旅のスタイルが大きく関係してきます。そして、私のPCTにかかった費用は、以下のスタイルでスルーハイクをしていたからです。
112日間でPCTを歩き切り、ゼロデイは全部で8日*。町に降りてもモーテルで宿泊はせず、基本は毎日テント泊。食事は我慢せずしっかり食べつつも、リサプライは安く買える場所でまとめて補給。平均歩行距離は長めだが状況に応じてショートデイを取り入れて柔軟に調整するスタイル。
期間と歩き方
PCT全体で112日間。いわゆる「ゼロデイ」は合計で 8日*。ゼロデイが少なく、基本は毎日歩くスタイル。1日の平均距離は長め(30マイル前後が多い)だが、タウンデイ前後ではショートデイを定期的に使い、補給や行程の調整をした。
※内4日はPCT DAYS、内1日はPCT上は歩いていないがシエラセクションでのビショップへのリサプライのためには歩いている。実質は3日のゼロデイとなる
宿泊スタイル
屋根の下で寝たのは 合計5泊のみ。そのうち 有料での宿泊は2泊(エアビーをシェアしたのと、ドミトリー)。基本はテント泊。
食事とリサプライ
食費は、しっかりと食べることを最優先。ファストフード店があれば積極的に利用。リサプライは大型スーパーや安い店ではまとめ買いしてトレイル沿いの高価な商店では必要最低限のみ。
PCTの費用まとめ
今回のPCTスルーハイクでは、112日間でおよそ50万円と、金額だけ見ると思ったより安いと感じた。
ゼロデイは最小限、モーテルは使わず、基本の歩く距離は長めで、町前後で柔軟に調整。その分、宿泊費はほぼかからず、出費の中心は食費でした。
PCTの費用は「何日歩くか」「どれくらい町に降りるか」「どんなスタイルで歩くか」で大きく変わります。同じ112日でも、もっとお金をかける人もいれば、さらに抑える人もいる。
この金額は、必要以上に贅沢はしないが、我慢もしすぎないという自分の歩き方の結果です。
これからPCTを歩く人や興味のある人が、自分なりの予算感を考える際の一例として、参考になれば嬉しいです。
