パシフィック・クレスト・トレイルを歩き終えました

パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)

2025年5月24日にメキシコ国境を出発し、9月12日にカナダ国境に到着した。パシフィック・クレスト・トレイル(以下、PCT)を112日かけて歩ききった。

メキシコ国境にて

カナダ国境にて

最初に浮かんだ感想は「やっと終わった」だった。

それほどまでにPCTは長く、途方もない道のりだった。

トレイルで度々見かけるPCTのサイン

PCTは公式の距離で2650マイル(約4200km)ある。

実際にはリサプライのために町へ寄ったり、水を求めて迂回したりと、さらに多くの距離を歩く。

しかも今年はゴール後にカナダへ抜けられず、30マイル(約50キロ)を歩いて戻らなければならなかった。

PCTから少しそれてアメリカ本土最高峰のMt Whitney

序盤は「とりあえず歩く」という気持ちだったが、中盤に差しかかる頃には、しっかりと距離を稼がなければ終わらないことを悟った。

PCTのMid point(中間地点)

町に寄らない日は1日で30マイル以上歩くことも珍しくなかった。

突如現れるトレイルマジック

そして、毎日が絶景というわけではない。単調で気力を削がれる日もあった。

  • 砂漠の暑さと水不足に悩まされた南カリフォルニア
  • 楽園のように感じたシエラの高山地帯
  • どこか気持ちが抜けてしまう“ノルカルブルー”を経験した北カリフォルニア
  • ロング・ディスタンスハイキングの魅力を再認識したオレゴン
  • 険しくも美しいワシントン州

PCTのイベントPCT Daysでたくさんの日本人ハイカーと出会った

112日間のうち、屋根のある場所で寝たのはわずか4日、

0 day(1日も歩かない休息日)は7日(うち4日はPCT Daysのイベント)、

ひたすらアメリカの大地を歩き続けた。

シエラの峠越えは残雪が残る

ワシントン州のGoat Rocksにて

PCTで出会った仲間たちと

自分は幸い、体力にも精神的な余裕にも恵まれ、総じて楽しみながら歩き切ることができたと思う。

ミューアパス手前の湖

歩き終えたあとChatGPTに行程から私自身を分析させてみると、「ストイックかつ柔軟なロングディスタンス・ハイカー」との評価が返ってきた。

強靭な持久力、着実な計画性、状況への適応力、チャレンジを楽しむ冒険心。性格的には「忍耐強く、分析的で冷静、でも遊び心も忘れないタイプ」らしい。

なるほど、と思った。

 

歩き終えて

北カリフォルニアセクションにて

PCTのゴールは、ひとつの長い夏の終わりであり、自分にとってはこれまで続いてきた放浪の旅のひと区切りでもあった。

PCTは、これまでの旅の中でも最高の経験のひとつだ。胸を張ってそう言える。

さすがに8kgほど体重が落ちたので、歩き終えた後は日々爆食いしながら身体を戻してます

デカすぎるパンケーキ

※この旅の記録や装備・行程の詳細は、今後ブログで少しずつまとめていく予定だ

 

これからについて

熊にも遭遇した

思えば、これまでの人生の大半を旅に捧げてきた。

後悔はない。むしろ、順調に物事が進み、充実した日々を過ごせたように思う。

望んでいた道を歩けない時期もあったが、それもまた自分を支える経験になった。

どの時も、自分なりに楽しみながら乗り越えてきた。

ピザとコーラで30ドル超の米国の物価

無職時代は、バックパッカーとしては陸路の旅を、ハイカーとしてはスルーハイクを選んできた。

そのどちらにも共通するのは、点と点を線で結び、やがて縦断や横断という形をつくることだった。

そこに旅のロマンとおもしろさを感じてきた。

異国の文化や風景への憧れももちろんあるが、結局は「日々の積み重ねが線になり、物語になる」ということに惹かれてきたのだと思う。

PCTを歩き終えた今、大きな線を描ききり、旅はひとまず一区切りを迎えた。

PCTハイカーたち

これからは、その経験を背負ったまま、日常の中で次の道を歩んでいきたいと考えている。

新しい線は、日々の暮らしや仕事の中に描いていくことになるだろう。

その線がどんな形になるかはわからないが、日々を積み重ねていく姿勢は変わらない。

このスタイルをカウボーイキャンプという

あえて“Life is a Journey”とは言わないが、人生という旅はこれからも続いていく。