【マーケティングの入門書】「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」の要約

サラリーマン
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「USJを変えた、たった1つの考え方」を読んで参考にできるところも多くてよかったので、自分のために備忘録というか、メモ(要約)を書きます。

初心者向けのマーケティングの本ですが、職種を問わず全サラリーマンやビジネスをしている人(若手にも)におすすめできる本です。大学生や新社会人にもおすすめ!

 

こんにちは!

どうも、あつしです。

ぼくは仕事で「マーケティングの考え方」を使うのでこれまでおろそかにしていたマーケティングの勉強をしています。

そこで自分でどんな本がいいのだろうかとあれこれ迷ってたどり着いたのが「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」でした。職場の先輩もおすすめしていました。

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USJを劇的に変えた、たった1つの考え方の要約

・タイトル「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」

・2016年4月 初版発行

・著者:森岡 毅

著者の森岡さんは、神戸大学卒業後、P&G→ヴィダルサスーン→パンテーン→ウエラジャパンを経て、2010年にUSJに入社し、革新的なアイデアを次々と投入して窮地にあったUSJをV字回復させたすごい人です。

本書は第1章から第9章まであり、260ページほどありますがかなり読みやすいです。

しかしながら、この中で重要なのは1,3,4,5章です。

 

第1章 マーケティングの役割

本来のタイトルは「USJの成功の秘密はマーケティングにあり」ですが、この章ではわかりやすく会社組織におけるマーケティングの役割を解説しています。

・会社からマーケティングにもっとも期待されることは売上を大きく伸ばすこと。例えば、テーマパークなら売上金額の最大の要素である「集客数」をどう伸ばすか。

・価格施策をプライシングという。また、1%の値上げに対して何%売り上げが減少するのかを価格弾力性という。

マーケティングで最初にすべき最重要な仕事は「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること。

・「消費者視点」→「消費者のほうを向いて消費者のために働け」→「どれだけ消費者の価値につながるのか」。消費者が喜ぶものと、消費者が喜ぶだろうと作る側が思っていることは必ずしも一致しない。作る側は自然状態では消費者感覚から遠い存在。

・マーケターは消費者理解の専門家。ある人はカレーが食べたい、ある人はすき焼きを食べたい。マーケターは自分が何を食べたいかではなく、消費者が何を食べたがっているのか洞察する必要がある。消費者がカレーライスが食べたいとわかったときは、マーケターは社内をカレーライス1本でまとめること。決してカレーすき焼きを作らせてはいけない。

自分機転で周囲を説得して倒して、人を動かすことが重要

 

第2章 日本におけるマーケティングと企業の現状

本来のタイトルは「日本のほとんどの企業はマーケティングができていない」ですが、日本におけるマーケティングと企業の現状としました。

この章はさほど重要ではありません。マーケティングが日本で発達してこなかった理由などを書いています。日本の会社には技術力があるのでマーケティングを獲得できれば再び輝ける。

マーケティング展途上国の日本ではこれからマーケターの需要がこれからどんどん高まる。

 

第3章 マーケティングとは

・マーケターとはマーケティングができる人

マーケティングとは、「商品を売れるようにすること」。突き詰めれば、自然と顧客が買ってくれるような状態(選ばれて必然)。→「売れるしくみを作ること」

消費者と商品の接点をコントロールする。

  1. 消費者の頭の中を制する(これが一番大切)
  2. 店頭(買う場所)を制する
  3. 商品の使用体験を制する

 

1.マーケティングの最大の仕事は、ブランド・エクイティー(消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージ)を築くための一連の行動をブランディング。

「マーケティングの仕事」=自社ブランドを売れるようにすること」=「消費者の頭の中に自社ブランドが選ばれる必然を作ること」

 

2.店頭を制するために、消費者が自ブランドを購入する可能性を最大化させるように「配荷率」「山積率」「価格」に注意する。

「流通に選ばれる必然」が勝負。流通業者に対して競合ブランドよりも自ブランドを扱うメリットをどう作るか。

「店頭に行ったけど商品を見つけられない。品切れ。近くの店舗にない」をなくす。

 

3.消費者価値をあげる商品開発をマーケティングがリードしなくてはならない。

消費者の最初の購入をトライアルという。2回目以降の購入をリピートという。購入頻度が高い方がありがたい。

・パーチェス・フロー(消費者が認知してから購入しさらに再購入に達していく流れ)を理解する。

認知率→店頭での配荷率→店頭での山積率→購入率→再購入率→平均価格→購入頻度

例:マーケットサイズ(〇〇万人)、×認知率(50%)×配荷率(20%)×購入率(最低6%、できれば10%以上)=購入人数×平均客単価=売上金額

 

第4章 戦略を学ぶ

マーケティング理解に戦略は必要。=論理的に考える。

戦略の定義:目的を達成するために資源(シソース)を配分する「選択」こと。

戦略が必要な理由は「達成すべき目的があるから」「資源は常に不足しているから」目的は達成したいこと、資源は自分たちが使えるお金や人員など。

 

経営資源(リソース)とは、「カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産」を6大経営資源という。※経営資源は自分次第で増えたり減ったりする。使う人が認識できていないと使えないから→経営資源は認識することによって増やすことができる

この中でもっとも大切な経営資源はヒト。人だけが6つの経営資源を増減できるから。

 

戦略の核は「選択と集中」、やることを選ぶということは、同時にやらないことを選ぶこと。※とりあえず全部やろうは、無意味に資源を分散させる戦略なき愚か者

  • 目的:達成すべき使命、戦略思考の中では最上位概念
  • 目標:目的を設定するために経営資源を投入する具体的な的

例:「目的は東京占領、目標は日本軍」

  • 戦略:目的を達成するための資源配分の洗濯
  • 戦術:戦略を実行するためのより具体的なプラン

目的→戦略→戦術

例:目的:痩せたい、戦略:運動する、戦術:ランニングと縄跳び

 

マーケティングでは戦略的思考は下記になる。

  • 目的:OBJECTIVE(達成すべき目的は何か?)
  • 目標:WHO(ターゲットは?)
  • 戦略:WHAT(何を売るのか?)
  • 戦術:HOW(どうやって売るのか?)

戦術よりも戦略のほうが大事。

例:USJからTDRまでの行き方→戦略が強いと正しい方向へ進む、戦術が強いと遠くまで飛べる

 

企業にとって「どう戦うか(戦術)の前に、どこで戦うか(戦略)」を正しく見定めることが何よりも重要。

良い戦略を見分けるための4Sチェック。4つすべて当てはまることは少ないが3つ当てはまり1つ突出しているのが良い結果を招きやすい。

  • Serective(選択的かどうか?):やることとやらないことを明確に区別できているか→貴重な経営資源を集中投下(効率的に)するため。
  • Sufficient(十分かどうか?):経営資源がその戦局での勝利に十分であるかどうか→SufficientでないならばもっとSerectiveで経営資源を足りるように選ぶ。
  • Sustinable(継続可能かどうか?):短期的ではなく中長期で維持継続できるか→より長く競合優位を維持する。問題は競合が真似をして追随や経営資源の枯渇。
  • Synchronized(自社の特徴との整合性は?):自社の特徴(強みと弱みあるいは経営資源)を有利に活用できているか→(競合の弱いところで)自社の強みを活かす。

 

第5章 マーケティングのフレームワークを学ぶ

マーケティングのフレームワークは必ず「戦況分析→目的→WHO→WHAT→HOW」の順番で考える。

 

1.戦況分析

自社をとりまくビジネス環境を理解するための5C 分析

Company(自社の理解):自社の全体戦略を理解する→自社の使いうる経営資源をできるだけたくさん把握する→自y佐野能力や性格としての特徴(強み・弱み)を把握する

Consumer(消費者の理解):消費者を量的(定量調査:アンケートなど)に理解すること(数値データで)と、消費者を質的(定質調査:何らかの一定の社会的な経験を下限られた人を対象にする調査。状況に応じて臨機応変に展開していく自由な内容を有した調査で、考えを深堀できる。例はインタビューなど)に理解すること

・Customer(流通などの中間顧客の理解)→「店頭を制する」につながる

Competitor(競合他社の理解):広義においての競合理解も必要。時間は限られている。取って代わるものなど。「自ブランドが消費者に提供している価値は何なのか」を理解し競合の姿を知る。例:USJだとディズニーだけでなく、レジャーすべて、ショッピングモール。

Community(ビジネスをとりまく地域社会の理解):社会がビジネスに与える様々な外部要因。代表的なのは法律などの規制、世論、税率、景気、為替。今だとデモ、紛争、コロナ等。

 

2.目的設定:OBJECTIVE(達成すべき目的は何か?)→ぎりぎり届く高さの目標設定、目標はシンプルに、魅力的な目的かどうか(魅力的なら人的資源を増やすことができる)

 

3.目標:WHO(ターゲットは?誰に売るのか)→消費者を選ぶ(限られたリソースを消費者全員に投下してはダメ、1人当たりのリソースが薄くなるから)→戦略ターゲットとコアターゲットを明確に

・コアターゲットを発見する6つの切り口

  • ペネトレーション:カテゴリーの中で自ブランドの世帯浸透率を増やせるグループはいないか。自ブランドの浸透率を伸ばすための「空白地」←コアターゲットになりうる
  • ロイヤルティ:既存の使用者の中で1年間に消費するカテゴリー全体の消費量に対する自ブランドの消費割合、カテゴリー消費量に占める自ブランドのシェア。例:ポイントカードでタブランドへの浮気を減らす
  • コンサンプション:1回あたりの消費量を増やせるグループはいないか。日帰り客を宿泊客に変えるなど
  • システム:消費者が同一ブランド内で複数の商品を使う機会を増やす。例:シャンプーとトリートメント
  • パーチェス・サイクル:購入頻度をあげる理由を作られるグループはいないか
  • ブランド・スイッチ:競合ブランドからの乗り換え変更の高いグループはいないか

・消費者インサイト:消費者の隠された真実。消費者を「はっと」させるか(除菌のできるアリエールは服のにおいの原因は衣類に菌がいると消費者に気づかせた)、感情を深く「えぐる」か(お子さんとあと何回一緒にクリスマスを過ごせるだろうか、貴重な機会なんだと)

 

4.戦略:WHAT(何を売るのか?)

・消費者がブランドを買う根源的な価値:「人々はドリルがほしいのではなく、穴である」「USJはアトラクションではなく、感情」

・ポジショニング:消費者の頭の中にある相対的な位置付け(ブランドイメージ)、信頼とか壊れにくいとか、情報量が多いとか。差別化(→されたら同質化して圧迫)

 

5.戦術:HOW(どうやって売るのか?):WHATをWHOに届けるための仕掛け

マーケティングミックスの4P

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販促)

重要なのはWHOの理解、自分のセンスで理解するのではなく、深く理解した消費者視点からHOWを判断する。

 

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」まとめ

本書の中で重要なのは1,3,4,5章です。

基本的に本書の必要そうなところを要約しましたが、文章だけでなく図に落とし込むことでさらに考え方の一つとして役立ちそうです。

ちなみに、第6章は日本人にマーケティングは合っているよというもの。

第7,8,9章はマーケター、森岡さんのキャリアについてです。マーケターになりたい人やこれからの働き方、キャリアの築き方のようなことで、マーケティングの実務面での話ではない。どういう人が向いているとか。大学生、就活生やマーケターになりたい人が読めばいいと思いました。

 

以上、「USJを変えた、たった1つの考え方」を読んで、自分のための備忘録というかメモでした。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。