Te Araroa Day 48 Te Matawai Hut〜Waitewaiwai Hut
※2023年12月の情報です
※1NZD=約90円
【テアラロア48日目】Te Matawai Hut〜Waitewaiwai Hut
午前4時過ぎに起床。
今日も長い一日が待っている。天気予報によると、午後から暴風が吹き荒れるという。それまでに稜線を超えて樹林帯にたどり着けるだろうか。
出発は5時を少し過ぎた頃だった。空はまだ薄暗く、はじめはヘッドライトを照らしながら歩いた。
山は静まり返っていたが、トレイルの足元は予想以上に泥濘んでいた。生い茂る草の下に泥が隠れていた。草は長くトレイルまで垂れているので歩を進める度に足が絡まり、何回か転倒しそうになった。トレッキングポールもこの草の中では扱いづらかった。
朝日が出てきて空が薄っすらと朝焼けに染まる中、黙々と登り続けた。
8時20分、Dracophyllum Hutに到着した。
10分間の短い休憩を取りながら、私は空を見上げた。雲がどんどん厚みを増し、不穏な気配を漂わせている。少しの間、雨がぱらついたが、すぐに止んだ。
ときおり険しい下り坂が現れて、背後のバックパックが岩にぶつかり、押し返される感覚もあった。滑る泥の中、何度も盛大に滑り落ちそうになりながらも進み続けた。危険な箇所が次々と現れ、緊張が緩むことはなかった。危険すぎる箇所はたいてい自分のミスで少しルートから外れていることもある。
樹林帯に入ると、比較的歩きやすいトレイルが続いた。稜線に出て少し歩いてNichols Hutへ続く分岐で標高差が少しあって面倒に感じてしまい訪問すべきか少し迷ったのだが10時50分Nichols Hutに到着。Hutは塗装されている最中だった。トイレあたりでかなり弱い途切れどきれの電波は確認した。
分岐に戻って、稜線に出たことで、強風にさらされる時間が増えた。草の生い茂る場所では膝下や太ももが風を遮り、わずかに暖かさを感じることができたが、天気は刻一刻と変わり続けた。一面がガスに覆われるかと思えば、次の瞬間には陽光が差し込む。そして、風は常に強く、容赦なく私を打ち付けた。
山頂にたどり着いても、稜線歩きは続いた。分岐点のDOCの看板にはHutまで2時間と示していたが、それが本当かどうか疑わしかった。
しばらく歩き続け、ようやく樹林帯に入ると、私は少し安心した。ここでは比較的歩きやすいトレイルが続いたが、急で滑りやすい箇所も多く、トレッキングポールに何度も助けられたが数回は滑った。
15時ごろ、ようやくWaitewaiwai Hutに到着した。
2日連続の長い道のりに疲れ果てたが、Hutは貸し切りのようで、一人静かに過ごせるかと思った。破れた靴下を脱いで足を洗い、暖炉に火を入れた。
少し休んでいると、1時間半ほどしてニュージーランド人の2人組が到着した。彼女らは「火が好きだ」と大量に薪を集めてから、私と同じように疲れを癒していた。
「最悪、風が強ければ四つん這いになって歩けばいいんだよ」と彼女らは笑いながら話した。その後、さらに1時間ほどしてドイツのULおじさん、そして18時半ごろにはスウェーデン人カップルも到着した。みんな疲弊していた。
ドイツのULおじさんは装備にこだわりがありいろいろとわたしたちに力説していたが、彼は食料や燃料まで軽量化しており、ニュージーランド人からガスや食料を分けてもらっていてダサかった。
私の手持ちの食料もこの日を含めて3日分ほどしかなかった。明日は大雨の予報だが、次のHutまでは進みたいと考えている。