【テアラロア105日目】Merrivale Hut ~ Colac Bay ※ロングウッドの泥地獄

テ・アラロア - ニュージーランド

Te Araroa Day 105 Merrivale Hut ~ Colac Bay Holiday Park ※Muddy Longwood Forest

※2024年2月の情報です
※1NZD=約90円

【テアラロア105日目】Merrivale Hut ~ Colac Bay Holiday Park ※ロングウッドの泥地獄

昨日から続く強風は夜通し吹き荒れ、朝も止む気配がなかった。寒さが嫌で、ダウンジャケットとダウンパンツを身につけ、5時前からヘッドライトの赤い光を頼りに準備をはじめた。

「ロングウッドはやばい」と、すれ違うNOBOハイカーたちが口を揃えて言っていた。その言葉を聞くたび、私たちSOBOハイカーは心のどこかで期待と興奮を感じていた。ドリも私もその1人だ。彼女は「ロングウッドで一番深い泥を見つけたい」と言っていた。

そんな過酷なトレイルが大半で今日は40キロ以上歩くことがわかっている。途中の泥地獄の中で泊まりたくないと思い1日で通過することにした。そういうわけで朝が早い。

外はまだ暗いが、歩きはじめたのは5時50分。

Longwood Forestへのトレイルヘッドへ向かう

7時20分、トレイルヘッドでキャンプをしていたトーマスを発見。彼は「寝坊した」と慌ててテントを畳んでいた。

テントを撤収するトーマス

私たちは少し休憩して森へと足を踏み入れる。序盤は美しい樹林帯が広がり、ところどころ泥の道もあるが、特に北島の森と大差はないように思えた。

呑気にトルティーヤを食べながら歩く私

しかし、Bald Hillの手前1.5キロあたりから、泥の深さが次第に増していく。

「ニー・ディープ(膝までの深さ)」を体感し、その瞬間、ドリの顔が輝いたように見えた。彼女は泥に足を突っ込むたびに歓声を上げ、笑いながら進んでいく。前を歩くハイカーにも追いついた。

Muddy Longwood Forest

深い泥の区間を抜け出して歩きやすいトレイルを歩く。

Bald Hillからは少しの間、グラベルロードを歩いて再び泥々のトレイルに足を踏み入れることになる。

Bald Hill 9時前

ここからがロングウッド本番だった。私も写真や動画を撮りながら歩いたが、次第に泥の深さと広がりが体力と時間を削り取っていった。

泥の中を歩く私

Muddy Longwood Forest

Muddy Longwood Forest

最初は楽しかった泥地獄も、先は長く終わりが見えないとなると恐怖すら感じはじめる。足が取られ、進むたびに靴は泥に埋まり、動きが遅くなり体力は消耗する。

もはや泥沼を歩く私

暴風の稜線に出て、12時半前にロングウッドの山頂にたどり着く。テ・アラロアのゴール地点のブラフも見える。

ロングウッドの山頂

テアラロアのゴール地点のBluffがついに見えた

あとは下るだけ!ではなく、実はまだここからも長い泥の道のりは続いた。

Muddy Longwood Forest

13時半前、Martin’s Hutに到着。ここで少し休憩する。

Martin’s Hut

Martin’s Hut

Martin’s Hut

この先も引き続き泥々なトレイルなのだが膝の深さまでの泥はほとんどなくなり深くても足首ほどの泥で歩きやすくなった。

Longwood Forest

15時にTurnbull’s(Big dam) Hutに到着した。

Turnbull’s(Big dam) Hut

Turnbull’s(Big dam) Hut

なんとここにはトレイルマジックが待っていた。切り株に腰を下ろし、泥まみれの足をそのままに冷たいコーラを飲む。疲れ切った体に染みわたり、この瞬間だけは泥の中の天国のようだった。ありがとうオレンジマン(@aworldinorange )!!

Trail Magic in Muddy Longwood Forest by @aworldinorange

Trail Magic in Muddy Longwood Forest by @aworldinorange

Trail Magic in Muddy Longwood Forest by @aworldinorange

Thank you for Wonderful Trail Magic @aworldinorange

この先も泥地獄は続く。いつまでも続く泥にやや恐怖心を抱き、このあたりでやっと時間を気にしはじめた。

Muddy Longwood Forest

やっとの思いで泥のトレイルを抜けて小川を見つけて靴を洗った。

歩きやすくなったのでさらにペースを上げて歩き続けていると、逆方向から歩いてくるオレンジ色のハイカーを発見。NOBOかなと思ったらなんとオレンジマンだった!彼は飲み物やみかんを詰めた約30キロのザックを背負い、これから泥の山に入ると言う。信じられないパワーに驚いて心から感謝した。このとき17時11分。

オレンジマン(@aworldinorange)と、私

ペースを上げ、簡単なトレイルを抜け、グラベルロード、そしてハイウェイを進み続けた。

めちゃくちゃ疲れているドリ

なんとか18時過ぎにColac Bay Holiday Parkに到着。事前にヒッチハイクで先に向かったクリスティンが予約を取ってくれていたおかげで、無事に宿を確保できた。

バンクベッド 30ドル

ビーフバーガー(20ドル)で疲れた体にエネルギー補給。

ビーフバーガー

心配していたトーマスやエマ、セポが21時過ぎにようやく到着した。全員疲れ切った顔をしていた(笑)

ロングウッドの泥地獄は噂通りだった。自然の厳しさと美しさ、そしてまもなくTAをゴールする自分たちの強さも知れた。行動時間12時間、今日はなかなかのハードな日だったけど楽しかった。

歩行距離約44キロ