Te Araroa Day 104 Birchwood Station ~ Merrivale Hut
※2024年2月の情報です
※1NZD=約90円
【テアラロア104日目】Birchwood Station ~ Merrivale Hut

Birchwood Station
朝、寒さに目を覚ますと、雨が屋根を叩く音が聞こえた。布団の中でその音を聞きながら、起きるのを躊躇した。やっぱり冷え込む朝はつらい。
ご飯を食べている間に雨は上がったが、また雨が降るらしい。トーマスが出発するのを見送り、自分たちも7時40分にようやく歩きはじめた。

トーマス!!
今日の天気予報は基本的に雨で昼過ぎか夕方から晴れ間が広がるとのことだった。出発時は雨が降っておらず、穏やかな気候でホッとする。
しかし、トレイルに入ってすぐ、ぬかるんだ地面で靴がびしょ濡れになる。さらに小雨が降り出し、それが次第に強い雨となって体を叩いた。風も冷たく、牧場の傾斜が想像以上にきつく感じた。早い段階で寒さのせいで疲労感が押し寄せ、昨日に続いて辛い一日になることを確信した。

なお、私は傘さして歩いています
歩きながら、友人との会話をふと思い出した。彼はかつてコンサルティングファームで、おにぎりプロジェクトに携わり、ほぼ毎日4時間しか眠れない日々を2カ月間も続けたという。その時、彼は「もう二度とこんな経験をしたくない」と思ったそうだ。
しかし次に同じような困難なプロジェクトが来たとき、それを再び選択することができるか、いわば「また、おにぎりできるか?」という話をしていた。
今日の自分の状況は、彼ほどではないが、その“おにぎり”の状況に似ている。昨日辛い道のりを経験し、今日も同じように雨と風の中を歩くとわかっていながら、結局その選択をした。迷いながらも、こうして「また、おにぎりする」ことを選んだ自分は評価できる。
Birchwood Stationにもう一泊し、手伝いをして楽をするという選択肢(※宿代無料晩飯付き)もあった。それでも、誘惑を振り払い、前へ進む道を選んだことは、短い距離の移動とはいえ自分の意志を確認できた。

破れたメリノウールの手袋
昼過ぎになると雨が弱まり雲りになった。それでも不意に雨が降ったりと、天気はめまぐるしく変わる。ずぶ濡れの体と冷たい風に苦しみながらも歩き続けた。

道中に見つけたきのこ
13時半、Merrivale Hutに到着。

Merrivale Hut

Merrivale Hutのトイレ
ここはプライベートのハットで15ドルの宿泊料がかかるが、無事にベッドを確保できたことに安堵した。

一番奥は私
到着すると、天気は一転して青空が広がり始めた。ただ、風が非常に強く、乾かしていたものが吹き飛ばされそうになるほどだ。
明日はロングウッドという泥のセクションでなかなか大変な日になるので8キロ先のトレイルヘッドでキャンプを選んだハイカーも数人いて、彼らは16時半ごろまで天候の様子を見てから進んで行った。またもトーマスが先を進む姿を見送る。

トレイルヘッドへ向かうトーマス
夕方、晴れた空を見上げて今日こそはきっと美しい夕日が見られると期待して待ったがそれほどでもなく、すぐ前に広がる鹿牧場を見てからそのまま眠りについた。

奥には鹿牧場

Merrivale Hut
歩行距離約27キロ