結局、哈密(ハミ)では泊まるところがなさそうなので(高いところはある)、吐魯蕃(トルファン)へ行くことにする。
セキュリティーチェックを受けて、長蛇の列に並んでチケットを購入!
幸いにも、哈密から吐魯蕃へのチケットはサクッと買うことがでできたけど、これにはワケがあった。
このときはまだ気が付いていなかった。
駅にもいたるところに公安と、入口のセキュリティーチェック。
鉄道に乗り込んだ。
前の席のおじさん集団ははどこか忘れたけど中国の東海岸からウルムチまで向かっているそうだった。
酒とツマミをかって、宴会気分だった。
硬座車両で中国を横断なら、そりゃそうなるよねと思ったけれど、治安維持のワッペンがあったので、ここの治安はぼくが守ることにした。
酒を飲んでいてうるさくて、つまみの骨とかをそのまま机の上に置いて嫌だったし、酒くさかったけれど、いい人たちだった。
言葉は通じないからか、「日本人だ」みたいな感じで、続々と人が集まってきた。
もう1人いた、楽山からよく会っている日本人旅行者の方をむいているときに盗撮。
飽きたからか、お昼寝の時間になった。
どういった仕組みかはわからないが、彼らはいろんな席でローテーションしながら寝転んでいた。ぼくの番がくることはなかった。
砂漠を突っ切る!
哈密を12時に出て、17時前に吐魯蕃駅に着いた。
ぼくは知らなかったんだけど、吐魯蕃には駅が2つあった!
吐魯蕃北駅と吐魯蕃駅だ。
吐魯蕃北駅は街中から少し離れているが、路線バスの202路で1元で市内中心部までいけたはず。
そして、ここ吐魯蕃駅は不幸にも街中から50キロほど離れている。
いや、50キロ離れていたら、もはやほかの街だろうと思った。
ぼくの地元の今治と松山間くらいある。
中国の広い国土からしたら、50キロなんてちっぽけな距離なんだろうな。
そう、街中から離れている吐魯蕃駅だからチケットがサクッと取れたのだ。みんな吐魯蕃北駅行きのチケットを取るらしいので。
さて、どうやって市内行こうか。
警備員はNOバスって言っていたが、経験上、絶対安い乗り合いのバンか何かがあるはずだ。
タクシーの客引きたちがよってくる。
いろいろ聞いてまわって、足下を見られないように交渉する。
- 30
- 25
- 20
- 10
といった感じで、1人10元まで下がった。
50キロくらいあって、1人170円ほどはかなり安い。
だが、この価格は怪しいなと思っていたけれど、それは的中することになる。
ぼくはタクシーは嫌いで旅中は極力乗らないことにしている。トラブルの元だし。
ほかを探すのはめんどくさいし、一緒にいた日本人の方を連れまわすわけにもいかなかったので、ほかの乗客も乗ることになったので一旦信用してみることにする。
おもしろいことに、トルファンのタクシーは強盗対策か知らないけれど、檻のようになっている。これも新疆ならでは。
荒野に伸びる舗装された一本道を爆速する!
50キロという距離は、遠く感じていたけれど、この感じならすぐに着くなと思った。
吐魯蕃の入口で検問があって、パスポートや顔認証の機械なんかでチェックされてめんどくさいがすんなり通れた。
さて、吐魯蕃の街に到着して、こそこそしたやり取りをした後におばさんを一人おろした。
そして、ぼくたちの目的地でおろしてもらう。
クソババアは「40元ね!」と言った!
ぼくたちは、やっぱりそうきたかと思ったけれど、10元で交渉したからには、10元しか払わない。
これはケチだと思われようが、ぼくは折れなかった。
クソババアのこの作戦が成功すれば、またつぎの旅行者を騙すからだ。
ぼくたちと、クソババアはいろいろ路上で言い合った。
もちろん言葉は通じないが、ほかの人も巻き込んだりしながら、中国語の数字とジェスチャーだけでたたかう。
クソババアは公安を呼んでもいいのか?お前たちは言葉を話せないだろうみたいなことをニヤリとしながら言ってきた。
たしかに、言葉は話せないが、公安が間に入ってくれた方がぼくたちからしてもいい。
ぼくが通りすがりのパトカーをとめた。
Google翻訳をダウンロードしていたので、とりあえずクソババアが嘘をついていると書いて伝えるが、公安は取り合ってくれない。
もちろんクソババアも迫真の演技で公安に語りかける。
「私は、あのクソ貧乏な日本人旅行者に騙された、かわいそうなババアよ」とかどうとか言っているはずだ。
また、ここでも折り合いがつくわけがなく、警察署へ連れていかれた。
警察署について、クソババアは嬉しそうだった。ぼくたちが言葉を話せないからだ。
とりあえず、担当の人が来るまで待たされる。
クソババアから取り調べが行われる。
取り調べ室から出てきたクソババアは泣いていた。迫真の演技だ。
そして、ぼくたちの番がきた。
てっきり、担当の人は英語を話せるものだと思っていたが話せなかったので、ショートコントのような形で事実を伝えた。
すると、取り調べの担当の人はぼくたちをあっさりと信用してくれた。
公安の人たちの前で、それぞれ10元を渡して、本件は終わりを遂げた。
さっきまで、バチバチにやりあっていたクソババアが反省したのが、なぜか気さくに「吐魯蕃で行きたいところあればツアー組んであげる」とか話しかけてくるしよくわからなかった。
しかも、宿まで送って行ってあげるよ的なことも言っているが、断って歩いた。
時間と体力を無駄にしたけれど、公安の人たちが腐敗していなくて、本当によかった。
公安とグルだったらと思うと恐ろしい。
やっぱりタクシーは乗りたくない。
地元の人が使う乗り物で旅がしたい。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
でわでわ。